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気高き騎士 [ヒストリカル]

SHALOCKMEMO307
気高き騎士 A Worrior's Honor 1998」
マーガレット・ムーア Margaret Moore margaretmoore.com 下山 由美





1228年 イングランド 
ディレイニア男爵の娘,リアノンはメレヴォア卿が催した馬上槍試合を見に来ていた。優勝したのはウェストボロー伯爵の一人息子ブライス・フレシェット。ブライスは父の死後爵位も領地も没収されていた。いずれ二人の愛が育まれていくのはわかっていても,互いにの第一印象はかなり悪かったようだ。
敵役はキンヴェリン・アプ・ハウェル卿。ウェールズ人で人当たりが良く趣味も良い。しかしこんな男は必ず裏があると言わんばかりの作者の書きようだ。キンヴェリン卿とディレイニア男爵の確執を知らないリアノンは,キンヴェリン卿の甘い誘いにいとも簡単に乗ってしまう。また,キンヴェリン卿の周囲にわざと見せつけて,あたかもリアノンが自分に気があるように見せてしまうなど,老練な一面を見せる。それに対して,ディレイニア男爵やその息子たち,さらにはヒーローのブライスは赤子の手をひねるように簡単にキンヴェリン卿の策略にはまってしまう。
次々に策略をめぐらすキンヴェリン卿にヒーロー,ヒロインは翻弄されていくのだが,どちらも誇りを失わず,誤った道に踏み出さないところが読んでいて安心できるところ。まさしく「戦士の名誉」という原題にふさわしい一作。


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