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長き旅の終わり [ヒストリカル]

SHALOCKMEMO324
「長き旅の終わり A Warrior's Bride 1998」
マーガレット・ムーア Margaret Moore 吉田和代





結婚せよと迫る父を避けて15年。長き放浪の旅はついに終わりを迎えた。サー・ジョージ・グラマシーはあか抜けた物腰と機知に富んだ会話で世の王侯貴族たちを魅了する。彼は隣の領地の一人娘アイリアスを娶ろうと決意していた。



主要登場人物相関図がついている。シリーズものを読む場合にどうしても必要となるが,これを作るには少なくとも全巻を読破しておかなければならないだろう。一つ欲を言えば,登場人物はその巻のヒロイン・ヒーローのみを上げているが,実際は数巻にわたって登場する人物もあり,参考のためにそれも表示してもらえるとよかった。
さて,本巻は前作のヒーロー,ドゲール男爵の従者だったジョージ・ド・グラマシー。洒落もので常に仲介役,いつも周囲を楽しい雰囲気にさせる現代的人物と,隣家の令嬢アイリアス・ドゥゴールのロマンス。アイリアスは男所帯の中で父のドゥゴールに男の子のように育てられ,おままごとより武器や兵士の中でいる方が落ち着けるという変わったヒロイン。洒落もののジョージとは正反対であり,ジョージの良さに気づくまでにはかなり時間がかかった。文字も読めず,いつも男の子の格好をしている。ドラマ化されるとしたら,若い頃のメグ・ライアンかアンジェリーナ・ジョリーがふさわしいのでは?
しかし,独特の勘で夫の周囲に信用できない管理人がいることに気づき,進言するが,信用されるまでには結構時間がかかってしまう。父の代から仕えてきた使用人たちを無条件で信用してしまうのはジョージにとっては当たり前の感覚。しかし,気の弱い弟を最後まで信用していなかった兄の破滅を見るのはちょっと気分が悪くなるほど。しかし,愛に溢れたアイリアスと最後まで人を信用しない使用人リチャードとの対比は,人物造形としては悪くない。


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