待ちわびた戦士

SHALOCKMEMO365
「待ちわびた戦士　The Saxon　1995」
マーガレット・ムーア　Margaret Moore　すなみ　翔

HS-286/07.04/
\910/284p

SHALOCKMEMO304　「十字架を抱く花嫁　The Viking」の関連作。
902年ウェセックス。バイキングの娘エンドレディはサクソンの領主バヤードの元に嫁ぐことになる。
前作で「そしてサクソンの村に残ったアドラーの悲しくさわやかな運命」と書いたが，アドラーが想いを寄せたエンドレディがアドラーの従兄弟バヤードの妻になる。互いに想いを寄せ合うヒーローとヒロインが運命に翻弄されるという骨太なストーリーと，敵役バヤードの甥のラナルフとその妻オーデラのどうしようもなくつまらない人生や，一族の誇りを捨てずに敵地で道化として間諜を務めるゴドウィンなど，それぞれのキャラクターが複雑に絡み合い，ストーリーが盛り上がっていく。
最後に，エンドレディの義兄のデーン人ダグウィンが攻めてきたとき，怪我を負いながらも単身敵陣に飛び込んでいったアドラーの戦士としての姿に拍手喝采。そして，くっきりしたキャラクターを描ききるマーガレット・ムーアの筆力には脱帽。今月おすすめの一冊。