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氷の女王の涙 [チェリー・アデア]

SHALOCKMEMO391
氷の女王の涙 On Thin Ice 2004」
チェリー・アデア 小林令子





始めに,作者チェリー・アデアのウェブページ cherryadair.com をご覧いただきたい。英語に堪能な方でなくても,これだけでも,アデアの作風と目指すところがおわかりいただけるのでは?
 本書を読了後,私もこれを見て,なるほどと思った。
私のように,「氷の女王の涙」で初めてチェリー・アデアに出会った人でも,これまで訳出されてきた「T-FLAC」シリーズの他の巻をすぐにでも手に取りたくなり,ライト家の兄弟・姉妹たちの冒険に思いを馳せたくなるだろう。
物語の舞台はアラスカ。アラスカといえば,デイナ・スタベノウのケイト・シュガック・シリーズ(ハヤカワ・ミステリ文庫)がすぐに思い浮かぶが,本書では犬ぞりレースとその競技者の関係者のみが登場するので,アラスカの人々の考え方や暮らし方は残念ながら詳細ではない。しかし,そのレースの厳しさやルールなどはよく取材されており,その点では十分に楽しめる。ヒロインで獣医のドクター・リリー・マンローが孤独に耐え,生い立ちによる心の奥の深い傷を克服せざるを得なくなるストーリーの展開は,読者に勇気と生きる力を与えてくれる。第19章~20章で明かされるヒーローのデレク・ライトとその家族たちの深い愛情と,危険を顧みず悪と戦う勇気にも,じんわりと腹の底から沸き上がってくる強い感動覚える。
年間ベストに入るオススメの1冊。


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