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太陽に魅せられた花嫁 [ジュリー・ガーウッド]

SHALOCKMEMO392
太陽に魅せられた花嫁 The Bride 1989」
ジュリー・ガーウッド Julie Garwood 鈴木 美朋



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12世紀のヒストリカルでありながら,妙に現代的な1作
ジュリー・ガーウッドのヒストリカル。しかもハイランドものであるということで,ちょっと構えて読み始めました。プロローグの重苦しい3ページでは,サスペンス色も強く,本の厚さもひとしお(525ページ)あることから,かなり長時間かかるかなと思われました。
しかし,しかし・・・
ヒロイン,ジェイミー(男性の名前らしいです)の父バロンとその4人の娘たちが登場してくると,もう,なんと言っていいか,それこそ蜂の巣をつついたような混乱ぶり。この時点でもう,おやっと思わなければならなかったんですね。
ヒーローのアレック・キンケイドとその親友のダニエルに掠われるようにハイランドに連れて行かれるジェイミーと姉のメアリーのキャラクターの違いや,アレックとジェイミーの漫才のような掛け合いがえんえんと続き,気がついたら,ほろりとさせられ,家族や一族に対する思いやりと誇り高きハイランド地方の人々の考え方,最後にはあしながおじさんのように登場してくるスコットランド王など,めまぐるしく登場する人物たちの生き生きとした書き分けにすっかり魅了され,一気に読み上げてしまいました。
重苦しい雰囲気は全くなく,プロローグの重苦しさは,最後のどんでん返しのための伏線としてきちんと生かされているなど,とても見事に仕上がった1作になっています。
会話の面白さ,家族愛,現代日本人が失ってしまったと言われる郷土愛などがたっぷり詰まった,ちょっぴり不思議な作品でした。
表紙の美少女が,目を伏せて静かにかしずいている様子にもだまされてはいけませんぞ! 五つ星の最高級品です。



Fantastic Fiction によると,姉妹作品[ The Wedding ]も1996年に出版されている様です。早く訳書を読みたいですね。
それにしても,The Bride やThe Wedding などと,とてもシンプルなタイトルはこの作家の特徴でもあるようですね。


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