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囚われの花嫁 [テリー・ブリズビン]

SHALOCKMEMO399
囚われの花嫁 The Maid of Lorne 2006」
テリー・ブリズビン 石川園枝




HS-301
07.09/¥910/284p

PHS-137
16.06/¥890/284p


 原題「ローンの乙女」の方が,ヒストリカル風で良かったのでは? でも,すでにそんな題名があったのかも。
 14世紀初頭のスコットランド。ローン氏族のマクドゥーガル族長の娘ララは多彩な才能に恵まれ,ローンの乙女として尊敬されていたが,スコットランド王ロバートにより絶対的に守りの堅い城ダンスタクニッジ城を奪われ,父はイングランドに逃れていき,ララと幼い弟妹は城に残されてしまう。城攻めをしたのは戦士セバスチャン。ララと結婚し,城と領地の管理をスコットランド王に任されるが,一介の騎士が領地を任されるということはそれだけ王の信任の厚いことを意味する。しかして,セバスチャンの正体は単なる騎士というだけではなく,王の密偵としてスコットランドのこの地方の征圧の情報収集をも受け持っていたのだ。一方,城を奪われた一族としての再興を画策していたのは,ララのいとこのユーチャン。秘密の通路をたどってユーチャンはララに王側の情報を漏らすようにララに脅しをかけてきている。ララは夫と氏族への中世の挾間で悩むことになる。この表紙の絵はどうだろう。ヒロインの顔が写されていないというのも,珍しくはないか。(いやいやハーレクインにはときどきあるんだなぁ)
 やがてロバート王が次々に奥地に攻め入り,勝利を収める一方で,大きな罠が張られていることに気づいたララだが,夫にそのことを告げられずにいる。この葛藤が本書の最もカタルシスとなっている。さらに,ユーチャンとともに父までも娘を利用しようとする。政争の道具としての結婚という中世によくあるパターンではあるが,夫を信じようとするララの愛に,読者はみんなのめり込んでいく。大団円はちょっと無理矢理ではあるが,夫セバスチャンの出自にも触れられ,なんとかつじつまはあった感じ。


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