キスで終わる夜明け [MIRA文庫]
SHALOCKMEMO432
「キスで終わる夜明け Night Shield 2000」
ノーラ・ロバーツ Nora Roberts noraroberts.com 長田乃莉子
「ナイト・シールド」改題。自分としては2003年10月に読了しているものの,改題作とは全く気づかなかった。
その時は,”常に危険に見舞われる刑事の職業をジョーナはどう乗り越えたのか? そこが書かれていない。”などと,生意気なことを書いてしまったが,そのことを意識して読み返してみると,実は,本書282ページから283ページにかけて,ジョーナ:「きみがあいつの銃の前へ踏み出したときのことは,容易に忘れられそうにないよ。」,アリー:「ええ。どんな気分か,よくわかるわ」,ジョーナ:「なんとかして耐えるさ,アリー。それが君の仕事なんだから」という問答の中で,その答えがはっきりかかれていた。
改題された作品とはいえ,たった5年前に読んだ本の内容や登場人物が全く記憶から抜け落ちているとは,実に情けないものだが,逆にそのことに読み直しの意味もあるのではないか,という居直りの気持ちもないわけではない。
いずれにせよ,本書の魅力は,ヒロイン・アリーと愛情に支えられた家族のやりとり,そして,互いに頑固に自分を主張し合うジョーナとアリーの軽妙で笑いを誘う言葉の応酬にあり,それがしんみりさせたり,ほんのりさせたりする,ストーリーテラーとしてのノーラの本領が発揮されているところだろう。
2008-07-13 01:06
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