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公爵夫人の恋人 [テリー・ブリズビン]

SHALOCKMEMO469
公爵夫人の恋人 The Duchess's Next Husband 2005」
テリー・ブリズビン Terre Brisbin terribrisbin.com 石川園枝





喘息に苦しむ公爵,エイドリアン・ウォーフィールド。3人の高名な医師から診察を受けたのち,帰りしなに3人が屋敷の外の窓の下で,「かわいそうに,余命数カ月だろう」と話しているのを小耳にはさんでしまい,すっかり自分に残された時間があとわずかと思い込んでしまう。公爵でなくても,こんな話を聞いてしまえば,すっかり自分のことだと思い込んでしまうでしょう。その後,彼のとった行動は・・・。
身をもち崩した父によって,財産を手放さなければならない瀬戸際に,多額の持参金をもって自分のと結婚した公爵夫人ミランダのおかげで,兄の突然の死によってはからずも公爵の爵位を継ぐことになったウォーフィールド家の次男エイドリアンは,領地と財産を持ちこたえることができます。しかし,結婚7年を過ぎた今も二人は,子供に恵まれず,母である公爵未亡人によって,いつもそのことを持ち出され,週に一度の定期的な交わりを義務的にこなすだけの間柄になっていました。しかし,余命わずかと思った時からエイドリアンのミランダに対する見方が少しずつ変わっていきます。
帯に,「互いへのひたむきな思いに心を揺すぶられる感動作です。」とあるとおり,公爵夫人を結婚前からよく思っていなかったエイドリアンの母に対する扱いや,妻に対してひたすら病気のことを隠し続けようとする心持,それに,自分の死後妻が生活に困らないように奔走する姿など,愛こそがすべての障害を乗り越える強い力であることを,静かなストーリー展開の中でじわじわと語っていく作者の語り口は,ヒストリカルというようリはもっともロマンスの匂いの強い作品の雰囲気を醸し出していきます。
やはり,これは是非読んでいただいて味わっていただきたいお薦め作品です。


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