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希望は君の瞳の中に [MIRA文庫]

SHALOCKMEMO483
希望は君の瞳の中に Frisco's Kid Frisco's Kid 1997 (Tall, Dark and Dangerous 3)」
スーザン・ブロックマン Suzanne Brockmann suzannebrockmann.com 松村和紀子





危険を愛する男たちシリーズの第3弾です。このシリーズはSEAL(海軍特殊部隊)の男たちの物語。本作では,フリスコと呼ばれるアラン・フランシスコとハイスクールの教師マイア・サマートンのロマンスにフリスコの姪ナターシャが絡み,ヒーロー,ヒロインのロマンス,プラス5歳児の娘というダブル・ヒロインになっているところが,興味深い作品です。原題は,「フリスコの子供」。
作戦中,膝に再起不能な負傷を負ったフリスコは,SEALにもはや戻れないのではという恐怖と,杖なしでは歩くことすらできないイライラでついつい酒に手を出したしまうのですが,そこに姉のシャロンが自分の娘ナターシャを預かってくれと尋ねてきます。少年のころから酒に身を崩した父親から逃れようと,海軍にはいり,軍人としてもっとも過酷で勇敢なSEALで活躍することを目指し,それを達成してきたフリスコにとって,姉が断酒のため,医療施設に入るために子供を預かってくれという頼みを断ることはできません。しかしナターシャは父親から虐待を受け,また母親からもかまってもらっていなかったため,人を信じず,しつけも全くされていませんでした。そんなナターシャにどのように接していったらよいのか,と思っていたところに手を差し伸べてきたのは隣人のマイアでした。
出会ってすぐ,マイアはフリスコに恋をしたのだと思います。外見や職業とは全く異なったフリスコの優しさに直感的に気付いたマイアは,女性らしく何くれとフリスコやナターシャの面倒を見るだけでなく,フリスコやナターシャの心の奥に響く言葉や行動を容赦なく浴びせます。そしてフリスコに自分自身を差し出してゆくのです。



冷蔵庫に貼られた,自分の目標リスト。「能のない人間ほど人に教えたがる」などの辛口の警句。ナターシャの父親ドウェインに連れ去られた後も,冷静にフリスコの言葉の裏を判断して行動をとるマイア。そんなマイアの姿に,自立した女性の強い意志とさわやかさを感じ取れる,清々しい1作です。


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