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ハーレムの夜 [スーザン・マレリー]

SHALOCKMEMO490
ハーレムの夜 The Sheik's Kidnapped Bride
(アラビアン・ロマンス 1) 2000」
スーザン・マレリー 藤田由美





スーザン・マレリーのシークもので前回読んだのは「シークの国のシンデレラ(SHALOCKMEMO477)」でした。これはバハニア国の隣国エルデハリア王国が舞台となっており,女性の自動車修理工マギーがヒロインでした。本作「ハーレムの夜」はアラビアン・ロマンスの第1巻としてハーレクイン・プレゼンツ(P-195),スペシャル・エディション(N-861)でもすでに発行されており,3度目の刊行となりますが,それだけ繰り返し版形を変えて出版されるというだけあって,いわゆるハーレクインとしてもお勧めの一作ということになるのでしょうか。
原作では「Desert Rogues」として12作出ているようですが,「シークの国の・・・」が最新刊になるようですし,本作が第1巻として丁度対極にある作品ということになるようです。表紙のうつむき加減のブルネットの美女に惹かれてしまうエル・バハール王国のプリンス,カリール・カーンは,ドーラ・ネルソンが空港でウェディングドレスをまとったまま置き去りにされているのを見かねて,ジェットにのせますが,丁度仕事のできる秘書を探していたところであり,ニュー・ヨークでの仕事の間,臨時に彼女を秘書に雇います。
しかし,何日か仕事を一緒にしてみて秘書としての彼女の能力に舌を巻き,幼いころからのいいなづけとは結婚したくない理由があり,口実的にドーラを結婚相手としてアメリカで結婚式を挙げてしまいます。エル・バハールのような首長国で王子が勝手に結婚できるのかということに大いに疑問を感じるものの,近代化を進める上でも,法的に許されるようになっていたのかもしれませんが,国に連れ帰ったドーラの素晴らしい仕事ぶりに,国王である父も兄たちもいつしかドーラを家族として認めていくようになります。しかし,ドーラとしてはどさくさまぎれに結婚を了承してしまったものの,勝手にすべてを決めてしまうプリンス・カリールのやり口を許せず,いわゆる家庭内別居(宮殿に住んでいるのですから宮殿内別居とでもいうのでしょうか)を頑なに守っていきます。いつかは,プリンスが自分を愛していると言ってくれることを信じて…
砂漠の国の美しい風景と孫の嫁に砂漠の国に生きる王子の妻としての心構えを説く皇太后ファティマの頼もしい活躍が読みごたえのある中編です。

あと,10作で500冊に到達するSHALOCKMEMOです。7月中にはなんとか新しいステージに入れるでしょうか・・・


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