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枯葉色のベビーベッド [赤川次郎]

SHALOCKMEMO507
枯葉色のベビーベッド 杉原爽香36歳の秋」
赤川次郎









毎年9月に発売されるこの「爽香シリーズ」も,22巻目で,今月はこれまでのシリーズをまとめた「夢色のガイドブック」も発刊されています。
「ついに,爽香と昭夫の間に赤ちゃんが・・・。」本来であれば,そのことで,文庫の半分ぐらいの分量が扱われても良さそうなものですが,赤川ワールドではそんな甘いことは許されないようです。相変わらず,事件の山に爽香が振り回されます。
さて,本作で特に感心したのは,高齢者マンションの住人たちがバスを仕立てて温泉に旅行に行き,集中豪雨で大変なことに,という箇所。役場の職員と爽香の決断で危機一髪を逃れるのですが,ここ数年,国内でも同じように土砂災害が多くなっていることを,とてもうまく取り入れているなと思います。そして,その中で,栗崎英子ばりに落ち着きとわがままさをもった中津ノブさんという高齢者を登場させているのですが,今後何度か登場することを予想させる存在感をもった人がまた一人現れたなという感じです。
また,爽香の周囲のG興産のスタッフたちも,さらに,新しいプロジェクトで関係してくるだろうと思われる文化教室の面々など,ますます新しい登場人物が出てくる予感がして,読後すぐに,次が読みたいと思わせられてしまいます。これまで登場した人物が,ヒロインとともに1年ずつ年をとっていくというのは,とてつもない設定ですね。そんなたくさんの変化していく登場人物をまとめた「夢色・・・」がでたことは,読者にとってもありがたいことです。


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