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ラブスクープは突然に [ダイアン・カステル]

SHALOCKMEMO549
ラブスクープは突然に The Way U Look Tonight 2006」
ダイアン・カステル 菱沼怜子





「ラブチャートは気ままに」に続く,「オファロン家の甘美な憂鬱」3部作の第2弾。前作のヒーロー,ライアンの双子の弟でニューヨークでテレビドラマ俳優として有名なキーフが,オファロンズ・ランディングに帰ってきます。そのキーフを雑誌記事にしようとオファロン家にやってきたのがキャリー・カーヒル。さらに整形美人ジョーゼット・クーパーもキーフとの週末デイトの抽選に外れ,キーフを追ってやってきます。
オファロン家の台風の目ボニーとその父ローリー,そして家政婦テルマも健在です。前作でヒーロー,ヒロインを務めた二人は,現在仕事の整理をつけに西海岸に行っており,テルマもコンラッドの家に常駐し,BアンドBを開設したので大忙し。そこでキーフがニューヨークから戻り,ボニーの面倒をみることになったのです。しかし,一人でボニーの面倒をみることなどできるわけがありません。ちょうどベビーシッターの面接をしようとしたところにキャリーが訪れ,依頼されたベビシッターよりも上手にボニーの信頼をたちまち勝ち取ってしまったことから,ストーリーは意外な方向にどんどん流れていきます。今回も,このシリーズの特徴であるジェットコースターのようにテンポの速い物語展開と,オファロンズ・ランディングのとんでもない発想をするユニークな人々,そしてグラント将軍の幽霊が,ドタバタ喜劇を演出し,しかも作者の言わんとする「家族と地に根付いた生活の大切さ」が十分に語られる,ほのぼのとした情感の漂う秀作に仕上がっています。登場人物の多さでは他のロマンスの水準を超えていて,例えばディマーとディガーなど似たような名前の人物も所狭しと登場してくるので,ときどきわからなくなることもありますが,喜劇の舞台を見るように,あまりそんなことは気にせずストーリーを追っていけばいい,というところも本書の魅力でしょう。
そして,ボニーの母ミミの行方,ヘイスティングズ・ハウスに夜な夜な現れる妙な人の気配と水道管の水漏れなどなど,ちょっとしたミステリー風味を随所にちりばめながら読者の心をくすぐる手腕は,一筋縄ではいかない妙味を感じさせてくれる1作です。


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