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あなたの心が知りたくて [スーザン・イーノック]

SHALOCKMEMO572
あなたの心が知りたくて Taming Rafe 1999」
スーザン・イーノック 井野上悦子





 スーザン・イーノックの作品を読むのは初めてです。本作は連作"Bancroft Brothers"の第2作目ですが,本書の中でもそのことは随所に表れてくるので,前作を読まなくても問題なく読んでいくことができます。
 本書の魅力は何と言っても,ヒロイン,フェリシティと妹メイの前向きな生き方,そしてヒーロー,ラファエル・バンクロフト(通称レイフ)とのやり取り,会話の面白さでしょう。そして,善き人々が全編を通してヒーロー,ヒロインに寄せる暖かい思いやりの気持ちや行動が底流に流れているところでしょう。敵役のディアハースト伯爵ジェイムズですら,ちょっと憎めないほどヒロインに思い入れがあり(たとえそれが自分自身のためであっても),舞台となっているチェシャー州の人々の気質といったものまで感じられるところが,素晴らしい点だと思います。脇を固めるのは,ヒストリカルには欠かせない「執事」。そして,うわさ好きのおばさん。肝心なところでストーリーを進めるのは,これら脇役の人々の活躍があったればこそですね。
 さて,重箱の隅の話ですが,訳者のせいではないと思いますが,むしろ編集者のミスとでもいうのでしょうか。324ページに「二万ポンド」ではなく,「二万ドル」と表記されています。話の筋からしても,また前後に出てくる数字からしても,明らかにポンドの間違いではないしょうか。




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