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さよならは告げずに [シークもの]

SHALOCKMEMO577
さよならは告げずに The Sheik and the Pricess Bride 2004」
(アラビアン・ロマンス・バハニア王国編)
スーザン・マレリー  Susan Mallery  susanmallery.com 松田優子





 四人の王子と二人の娘(うち一人はアメリカ育ち)のロマンスを描くバハニア王国編もいよいよ佳境。本作は第四王子ジェフリがヒーローです。バハニア王の子供たち身固め悪だくみも,王子・王女たちにとっては気付いた時にはもう遅いということになっているので,今回もハッサン国王のにんまりした顔がところどころ出てきて思わず笑いを誘いますが,ちょっと不気味ささえ感じさせます。
 さて,今回の王子ジェフリはバハニアとエル・バハール連合セキュリティシステムのうちの空の守り空軍設置の責任者として,民間会社の操縦訓練士と恋に落ちます。こんな会社があるんですね。普段は実戦にも参加するんでしょうか。その,操縦訓練士こそ,ヒロインのビリー・バン・ホーン。バン・ホーン家は父とビリーの三人の兄たちとビリーで会社を作り,航空機の訓練や航空産業関係の仕事をしているわけですが,バハニアの空軍の戦闘機乗りたちの訓練をするためにビリーと兄のドイルの二人でバハニアにやってきます。会社の契約では最も優秀な訓練士を要請されたということで,ビリーが選ばれたということ。模擬空中戦ではある時期から敗れたことがないというほどの腕の持ち主。しかし男性中心の空軍で,女に負けた後の男たちの行動は,彼女をののしるか無視するかの二つに大きく分かれるのだとか。ジェフリも初めはショックを隠せなかったものの,なぜ勝てないのか真剣に考えます。そして,いつしかビリーの美しさ,知性,飛行機好きに参ってしまいます。
 ジェフリはかつて結婚したことがありました。しかし,二人の結婚生活には愛がなく,いわゆるバツイチのまま数年たっています。ハッサン国王からそろそろ身を固めるように言われ続けたジェフリはビリーに出会う前に,従順でそこそこ美しく,宮殿での生活のできる女性を探してくれるよう頼んでいたのですが,ビリーに出会い,二人が惹かれあっているのを革新したとき,あの話はなかったことにしてくれと国王に願い出ます。ところが絶妙のタイミングでタヒラというジェフリの出した条件にぴったりとあった美女が宮殿に現れ,ジェフリとビリーを驚かせます。かつて王国で重要な役割を担っていた役人の娘で,王子たちの一人と結婚させるために修道院でひたすらプリンセス教育を受けてきたという淑女。男勝りで一介の民間人であるビリーとはいわば対極の乙女でした。一度は断ったものの,約束の女性を探してきたのだからと結婚を迫る国王,ひたすらジェフリとの結婚を思いつめている可憐な乙女のタヒラ。ビリーもタヒラも傷つけたくないジェフリ。兄のムラトに相談するもののなかなか解決策の見出せないジェフリでしたが,思わぬ展開に・・・
 原題の「プリンセス・ブライド」とは,このタヒラのことを指していると思われますので,本作ではヒロインが二人といってもいいのでしょうね。
 ビリーの連れてきた犬も宮殿で大活躍です。猫屋敷といわれるほどたくさんの猫のいるバハニアのピンク宮殿ですが,犬のマフィンはいつの間にか自分の居場所を見つけ,さらにハッサン国王ともちゃっかり友達関係になっていきます。ハッサン国王のこのちゃめっけのある性格が本作ではかなり強調されているのではないでしょうか。


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