誘惑のタロット占い [ジャッキー・ダレサンドロ]
SHALOCKMEMO580
「誘惑のタロット占い Never a Lady 2006」
ジャッキー・ダレサンドロ 嵯峨静江
「身分違いのかなわぬ恋」という設定はかなりありきたりなものですが,一方が上流階級で今話題の占い師がヒロインとなれば,ちょっと他には例を見ないのではないかと思われます。表紙の写真モデルのように黒髪,黒の衣装,そしてエキゾチックな顔というのが,おそらく一般に流布している占い師のイメージでしょう。しかも少なくともヒーローの目には「美しい」「魅力的」に映らなくてはなりません。
4年前のスリとスパイという思いがけない一瞬の出会いから互いを意識しあったという純情溢れる二人の関係から,最後のハッピーエンドに至るまで,これはまさしくシンデレラストーリー。しかも時々顔を出すストリートキッズなど社会問題も織り交ぜながら,ジャッキー・ダレサンドロにかかるとこんなにも楽しめる物語になるのかという証明にもなる好印象の一冊です。
それにしても邦題「誘惑のタロット占い」には参りましたね。この作品の価値をすっかり失わせるような駄作タイトルではないでしょうか。
あらすじや登場人物については,本書を手にしてからの方が楽しめそうなので,あえて書くのはやめておきます。嵯峨静江さんの訳も素晴らしい。特に言葉遊びが何回か登場するので,訳は難しいのではないかと思われます。
2010-10-03 05:52
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0