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鏡の中の迷宮 [エマ・ダーシー]

SHALOCKMEMO588
鏡の中の迷宮 A Marriage Betrayed 1999」
エマ・ダーシー  Emma Darcy 吉本ミキ





 エマ・ダーシーの作品読了は平成7年以来3年ぶり。本書はファンが選んだベスト作品フェアの1冊です。
オレンジがかった金色の髪が豊かにウェーブを描き方の周りまで伸びており,唇も花も形が整っているし,瞳は澄み切ったブルー。
 まさに左の表紙の絵のような美女が,本作のヒロイン,クリスティです。クリスティは看護師。しかし,両親を失った自分を育ててくれた養父母が次々に亡くなり,特に癌を患っていた養父を最期まで看護し,看取った後,ジュネーブに行って実の家族たちを探そうと旅に出ます。途中,養父母が新婚旅行で宿泊したパリのホテルに行ったとたん,ホテルの従業員たちの自分に対する態度がおかしいことに気付きます。そしてロビーで話すカップルも自分を驚愕の目で見ます。高級ホテルの一番安い部屋を頼んで,部屋に着いた途端,ホテルの支配人らしい男性から,部屋を変わってほしいと言われ,案内されたのは高級そうなスイート・ルーム。しかも従業員が次々に頼んでもいない飲み物や果物を届けに来ます。これも,ホテルに入ったときから従業員たちの様子がおかしいことと関係があるのだろうか。そんな興味から言われるがままにしていたクリスティの部屋の続き部屋を開けたところにいたのは,ロビーにいた男性でした。しかもその男性はいきなりクリスティを非難したかと思うと,無理やりクリスティの唇を奪ったのです。
 こんな風に,速いテンポで読者を疑惑の渦に巻き込みながら,本書はすすんでいきます。次の舞台は,クリスティの唇を奪った男性アルマンの館。なにやら,家族の中がぎくしゃくとして,互いに疑心暗鬼で憎み合っているような様子さえ見える人々。実はクリスティはこの家族と関係があったようなのです。
 一見ミステリーのようなサスペンス満載の本書。最後はほんのりしたロマンスらしい終わり方をするのですが,一気読みお薦めです。


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