SSブログ

花の島の想い [ノーラ・ロバーツ]

SHALOCKMEMO613
花の島の想い Island of Flowers 1982」
ノーラ・ロバーツ 城 和子





大御所ノーラ・ロバーツの初期の作品の文庫化。すでに3回版を変えて出されている。
「花の島」はハワイのカウアイ島。母とパリで暮らしていたレイーヌは母の死後,母の借金を清算して父のいるハワイにやってくる。母は,娘のレイーヌのことよりも自分のことを優先する超がつくジコチュー女性。レイーヌの面倒は一切見ず,寄宿学校に預けたままだった。その後レイーヌは母校の教師として自立していたが,父からレイーヌに送られていた養育費や誕生日ごとのプレゼントはすべて母が着服し,そのことをレイーヌは全く知らなかった。そのため,母の死後,遺品として残されていたものをすべて売却したが,そのほとんどは,母が残したものというよりも父がレイーヌに贈ったものだったことがわかってしまう。
そんな母の仕打ちを全く知らない,父と一緒に働く青年実業家ディロン・オブライエンは,レイーヌを迎えにマウイ島へやってきて,カウアイ島に向かう自家用機の中でレイーヌを世間知らずのお嬢さんで,自分の父に全く手紙も出さない冷たい女と詰る。初めはディロンに反発を覚えるレイーヌだったが,ハワイの素晴らしい自然と,父の家の家政婦ミミの暖かさに次第に心を開いていく。やがてディロンの思いやりの深さに気付いていくのだが,初めに互いの気持ちに生じたねじれはなかなか解消しないまま・・・。後年のノーラのどの作品にも通じる家族愛を,ハワイを舞台に美しく描いた傑作。小品ながら人物造型とストーリーテリングのすばらしさは十分に出ている作品。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

戻っておいで聖なる森の捜索者 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。