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真珠の涙にくちづけて [キャサリン・コールター]

SHALOCKMEMO665
真珠の涙にくちづけて The Wyndham Legacy 1994」
キャサリン・コールター 栗木さつき





 キャサリン・コールターのヒストリカル。庶子ながら,その美貌といつも冷静でいる様子から「妃殿下」とあだ名をつけられた女性ジョゼフィーナの圧倒的な存在感が光る作品です。あだ名をつけた本人第7代チェイス伯爵マーカスとの丁々発止のやりとり,そして妃殿下に次第に惹かれていくロマンスの展開に思わずにっこりしてしまう暖かさを持った作品でもあります。ウィンダム家に伝わる伝説と秘宝,そしてそれを巡ってアメリカのウィンダム家とイギリスのウィンダム家のついたり離れたりの関係も謎解き的な面白さがあり,さすがコールターと思わせるところもありますが,本書の最大の魅力は脇役の人物造形の妙だろうと思います。妃殿下の従者バッジャー(普通女性に従者はつかないものですが),ウィンダム家のチェイス・パークの執事サンプスン,秘書クリタッカー,従者スピアーズ,メイドのマギーなど,使用人たちに含め,マーカスの母パトリシアやアメリカのウィンダム家のウィルヘルミナなどなど,次々と出てくる登場人物たちが実に生き生きと存在感を持って登場し,ヒーロー・ヒロインと丁々発止の舌戦を繰り広げるドタバタ的要素もたっぷりと味わえます。
 このシリーズ名のレガシーには財宝という意味もあるとか。続く作品にも期待が持てます。


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