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純白の誓い [コンテンポラリー]

SHALOCKMEMO667
純白の誓い Vision in White 2009」
ノーラ・ロバーツ 村上 真帆





 ノーラ・ロバーツのブライド・カルテット・シリーズの第1弾です。ブラウン家のパークス(パーカー),写真家のマッケンジー,フラワーアレンジャーのエマリン(エマ),そしてパティシエのローレルの4人は幼い頃から結婚式ごっこをする夢みる少女でしたが,長じてブラウン家を改装した結婚式場,VOWSを開き,それぞれの特技を生かして毎日忙しく暮らしています。4人のロマンスを描いた4部作の第1弾のヒロインは,写真家のマッケンジー(通称マック)です。マックの母親は自分が常に主人公で男性にかまわれていなければ満足できない性格で,結婚と離婚を何度も繰り返しています。そして,マックの生活に突然飛び込んできて,お金を要求するような母親らしいことは全くしない女性ですが,そんな母親でもマックは愛を感じ,結局は母親の要求に従ってしまうのですが,仲間の3人は,母親の要求を断れないマックにも責任があると言います。
 ヒーローのカーター・マグワイアは,高校の古典の教師。シェイクスピアを4人の女性の出身高校で教えています。自身もその高校の出身で,マックが一時その高校にいたときから,一目惚れしましたが,奥手で慎重なカーターはマックにその思いを伝えることができないうちにマックは転校してしまった過去があります。再びVOWSで再開した二人ですが,二人の間には静かな火花が散るのでした。どちらも引かれる思いを素直に口にできない二人ですが,何かとマックを守ろうとするカーターの行動に,周囲の人々も位置はやく気づき,バックアップします。しかも,ブライド・カルテットの4人は,決してマックに無理強いすることなく,マックの相談に応じることによって気持ちに踏ん切りをつけさせようとしていきます。この4人の友情がマックの気持ちを前向きに向けていくのでしょうか。
 このシリーズの舞台になっているブラウン家の屋敷は,ノーラが経営するホテル「Inn Boonsboro」を参考にしているのではないかと思います。細部にわたる屋敷の様子や位置関係には,何かしらモデルがないと書き切れない部分かと思います。ストーリーテリング中心の作品というよりは,心理描写を積み重ねてプロットをくみ上げていく純文学的手法をも十分い楽しませてくれる傑作シリーズです。


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