シークを愛した代償 [オリヴィア・ゲイツ]
SHALOCKMEMO686
「シークを愛した代償(アズマハルの玉座 1) The Sheikh's Redemption 2012」
オリヴィア・ゲイツ 小林ルミ子
Amazon Kindle版で初めての読了本です。エジプトのロマンス作家オリヴィア・ゲイツの三部作「アズマハルの玉座」の第1冊ですが,このシリーズは,これまでの「ゾハイドの宝石」や「さまよえる王冠」「ジュダールの王冠」と姉妹篇になっているため,これまでの流れがわかっていないと,ちょっと背景についていけないところがあります。ヒロインのロクサーヌが恋人のハイダール王子からゾハイドの宝石を手渡されたりする場面が登場しますので少なくとも「ゾハイド」は読んでおかなくては,と思います。
本三部作では物語の舞台はアズマハル国になり,ヒロインのロクサーヌは政治アナリストとして,国際的にも評価される存在となっています。アズマハル国の原油流出事故で王が政治を投げ出し,国民は新しい王を求めて3人の候補者の中から選挙で選ぼうとしています。王子ハイダール,その双子の弟ヤラル,そしてハイダール兄弟のいとこラシッド。三部作はこの三人をヒーローとして展開していくことになるのでしょう。三人の陰に,ハイダール,ヤラル兄弟の母でアズマハルの王女の陰湿な陰謀癖が不気味な影を落としています。この辺りは前シリーズを読まないとわからないところかもしれません。8年前にハイダールの前から突然去って行ったロクサーヌ。そして,二人が再び出会った今,ねじれていた二人の関係がどのように変化していくのか。それが読みどころです。
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