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嘘つきなプリンセス [レイ・モーガン]

SHALOCKMEMO691
嘘つきなプリンセス (失われた王冠 3) Betrothed to the Peince 2003」
レイ・モーガン 雨宮幸子





シリーズ第3作。前作では,ハンディキャップを持つ王子という特異な設定で,人権問題を扱いましたが,本作では,王族同士のロマンスの中にも,恵まれない子供をどうするかという社会問題を,後々国家経営に王族一族がかかわっていくかという点を描き出しているように思います。3作まで読み進んでみて,レイ・モーガンはロマンス小説で単に特異な設定を描くだけでなく,その背景に国家と人権,国家と安全,社会保障,偏見と闘うことなどなど,大きなテーマを描き出そうとしているようです。
ナボタビア国の王子,ガース・ロゼアノバは親が定めた許嫁,西ナボタビア国の王女カティアナ(ティアナ)がいますが,もう何年も逢ったことがなく,ティアナの方も,フォトグラファーとして自立しようという考えから,婚約を解消したいと考えています。第1作で登場したカリナ王女と警備主任のジャックの結婚式に一族が集まることを機会に,ティアナもアリゾナの一族の邸宅を訪れますが,ガース王子と出会う前に,道端に捨てられた赤ん坊を拾い,自分は身分を隠してナニーとして来たことにします。このとっさの嘘が,この後大きな誤解に次ぐ誤解を生んでいくことになるのですが・・・。ガースの両親とガースとの秘められた関係も後半明らかにされ,やはり王家には,それぞれ複雑な事情があるものだなぁと感じさせるなど,いくつもの伏線がシリーズが進むにつれて明らかにされ,筆者のストーリーテリングのうまさに感じ入ることのできる作品です。


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