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王子様に片思い [ニコル・バーナム]

SHALOCKMEMO696
王子様に片思い Falling for Prince Federico 2004」
ニコル・バーナム 土屋 恵





ニコル(またはニッキ)・バーナムの「サンリミニ王国」を舞台にした物語です。あまり多作家ではないバーナム。邦訳されているものもそれほど多くありませんので,手に入るものを集めました。本作はKINDLE版が最も早く手に入り,読了したものです。
サンリミニ王国の皇太子アンソニーと皇太子妃ジェニファーのロマンスは「王子様とワルツを」で語られているようですが,ジェニファーが出産を控えて不安になっているところに,親友のピアがサンリミニの王宮にやってきます。ピアは「王子様とワルツを」のプロローグにも名前が見えるサンリミニ王国の出身の美貌の女性。時に王宮では,妻を亡くした王子のフェデリコが,残された二人のわんぱく王子の暴れん坊ぶりに手を焼いていたところでした。というよりも,二人の王子のナニーがなかなかふたりをかまい切れずに,次々にやめていったり,自分のことにかまけて子供たちから目を離したりで,新たにナニーを見つけようかと考えられているところでした。王子たちがちょっとしたことで怪我をしそうになったとき,うまく処理したのがピアでした。フェデリコはピアに新しいナニーにならないかと持ちかけますが,ピアには皇太子妃の出産後に次の仕事に向かう予定があり,しかも,かつてナニーをしていたとき,子供に怪我をさせてしまうという忌まわしい記憶があり,頑なに断るのでした。謹厳実直で厳めしいという評判のフェデリコですが,ピアは,時折子供たちに見せる優しさや,よき父親であろうとする真剣な気持ちに惹かれるものを感じるのでした。また,フェデリコも子供たちのわんぱくを何度かうまく処理し,子供たちの気持ちも大切にするピアの優れた才能に強く惹かれていきます。
エピローグは三年後。とてもしゃれた,余韻のある終末です。


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