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ハイランドの戦士と情熱の花嫁 [コニー・メイスン]

SHALOCKMEMO699
ハイランドの戦士と情熱の花嫁 Highland Warrior 2007」
コニー・メイスン 藤沢ゆき





とにかく元気のいいヒロインの登場です。「元気のいい」では控えめすぎる言い方になる。頑固で,思い込みが激しく,決して頭が悪いわけではなく,後先を考えずに突っ走ってしまうため結果的に物事が悪い方に進みがちなヒロイン,それがジリアン。一方ヒーローはマッケナ氏族の氏族長ロス。敵対するマッケナ氏族とジリアンのマッケイ氏族は長年抗争を続けてきている。時は1415年。長い抗争の間に互いに犠牲者を出し合い,互いに後には引けない状況になってきている。しかし,マッケイ氏族の氏族長でジリアンの父ティアラッフは,すでに二人の息子を失っており,これ以上の犠牲を出すことは互いにとって決して有利には運ばないことに気付き,ロス・マッケナに自分の娘ジリアンを嫁がせることで,和平を保とうと考えた。戦場で自分に剣を向けてきたジリアンを嫁に迎えることはロスにとっては大変なリスクであるものの,ティアラッフがそこまで犠牲を払っても和平を求めてきたことを認め,この協定を認めることにする。全く寝耳に水の話でジリアンは抵抗するものの,政略結婚によって得られるものの大きさを説く父の言葉に従い結婚式を挙げる。ジリアンとロスはすでに付き合っている人が互いにいたが,結婚という形にまではいっていなかった。ジリアンの元彼アンガス,ロスを慕うジーナの二人が,全編を通じて敵役となり様々な事件を起こしていく。そしてマッケナ氏族の治療師(不気味な魔女という感じ)のギゼラが預言的な言動と不可解な行動で巧みに物語をリードしていく。ギゼラの存在が中世的で妖精の国ハイランドの一種独特な雰囲気を表すのに絶妙な存在となっている。言葉というものが事実と密接に結び付き,人の心を正直に表していた時代の雰囲気,自分の運命にまっすぐに立ち向かっていくヒーロー,ヒロインの潔さが読者の心にまっすぐに突き刺さってくる珠玉の作品。


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