永遠のジンクス [キャロル・モーティマー]
SHALOCKMEMO701
「永遠のジンクス Prince's Passion 2005」
キャロル・モーティマー 古川倫子
キャロル・モーティマーの「華麗なる兄弟たち」シリーズの第1巻。原題の「Prince」は一家の姓で「王子」の意味ではない。長男ニコラス(ニック)は映画監督,次男ザックは俳優,三男リックは脚本家,それに末妹ステイジーの4兄妹のプリンス家。本作は長男ニックとジュリエット・ニクソン(通称ジンクス)のロマンス。J・I・ワトソン作「非凡な少年(ノー・オーディナリー・ボーイ)」という小説を是非映画にしたいと考えているニックだが,作者のワトソンはいわゆる覆面作家で出版社も編集者も連絡先を知らない。用件は私書箱に郵便でしか連絡ができないし,本人とはだれもあったことがないという。果たしてその作家は誰か。というところから物語が始まる。大学講師であるジンクスは,病気を父の面倒を見ているが,精神的な病の原因は息子と妻の相次ぐ死によるものだった。あるパーティに引っ張り出されたジンクスはそこでニックと運命的な出会いをする。その後ある情報からジンクスがJ・I・ワトソンではないかと考えたニックはジンクスに積極的に働きかけるうち,次第に惹かれていく。そんな時,二人の関係がマスコミの知るところとなり,さらにジンクスが作家ではないかという情報がどこからか流れていく。映画化を強く拒否していたジンクスだが,ニックから何度も働きかけを受け,さらにニックの弟リックからの言葉で態度が軟化する。しかし,映画化の承諾は実はジンクスにはできないのだった。
シリーズの幕開けとして兄妹がいろいろなところで顔をだし,それぞれの特色が出ている作品です。開幕にふさわしいワクワク感もあるし,終末の謎が解けるところでは涙が流れます。
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