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赤い砂漠の契り 上下 [マーガレット・ウェイ]

SHALOCKMEMO724
「赤い砂漠の契り   Sarah's Baby 2003」
マーガレット・ウェイ 片山 真紀





「オーストラリア奥地(アウトバック)の町クーメラ・クロッシング。その町を開いた名家であるとともに,町のほとんどを支配しているマックイーン家。そのマックイーン家を支配しているのは女家長ルースだった。ルースはマックイーン家を守るため,そして孫のキャルが後継者として家業を継ぐことを最優先にしていた。」この作品は,マックイーン家とクーメラ・クロッシングに住む人々,そして赤い砂漠に象徴されるオーストラリア,アウトバックに暮らす人々の一大絵巻です。キャルは,15歳で同級生のサラと相思相愛の仲になり,将来を誓い合うのでした。しかし,サラはある時,突然キャルに別れも告げず,町からいなくなり,それから15年の歳月が流れます。サラの母が亡くなったことで,数年ぶりにサラが帰郷し,キャルもサラも15年前と変わらず互いを思い合っていることを確かめ合います。しかし,サラがなぜ突然町を去ったかは,キャルには分かりませんでした。実は15年前サラは妊娠し,一人娘ローズを出産するものの,翌日赤ん坊が亡くなったと知らされ,キャルの祖母ルースからキャルを悲しませるからと説得されて失意のうちに町を離れたのでした。15年後,マックイーン家の援助を受けてサラは立派な医師として成功していました。町の診療所の医師ジョーは,老年に達し,不治の病も患っていたため,サラに後を継いで欲しいと考えていました。町に戻ってくることを決意したサラとキャルは再び15年間の空白を埋めるかのように交際を再開します。しかし,サラの胸には15年前に失った娘ローズのことをキャルに告げる勇気がどうしてもわきません。町の人々はサラを昔から知っており,サラが診療所を継いでくれることに感謝の意を持っていました。しかしルースはどうしてもキャルとサラが一緒になることを許せません。実はルースはそれを妨害するために15年前も,今も罪深い行いを平然と行っていたのでした。

物語は,このルースの罪深い行いを,サラが少しずつ,妨害されながらも明らかにしていこうとするミステリ的要素と,キャルとサラのロマンス的要素,そしてクーメラ・クロッシングに住む人々の暮らしとの3つの要素を中心に進められていきます。下巻では娘ローズが実は死んではおらず,診療の過程でサラ,キャル,ローズが偶然出会うことから急展開します。上下巻であるにもかかわらず,一気に読み進められる好著です。


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