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家なき王女が見つけた恋 [リアン・バンクス]

SHALOCKMEMO725
家なき王女が見つけた恋 A Home for Nobody's Princess 2012」
リアン・バンクス 藤倉 詩音





ディザイアを読むのは久しぶりです。SHALOCKMEMOによれば,昨年6月以来となるでしょうか。さらに,リアン・バンクスの作品となると2007年1月以来ですので,ほぼ7年ぶりになるわけですね。バンクス作品はどれも期待外れということがないので,本作も読み始めから一気に読み上げました。

さて,ヒロインはテキサスの牧場にベビーシッターに雇われたココ・ジョーダン。父は数年前になくなり,病気療養していた母も最近亡くなってしまい,大学を休学してベンジャミンの牧場で生後五ヶ月のエマのベビーシッターとしてほぼフルタイムで働くことになりました。エマは母親が亡くなってしまい,牧場にやってきたばかり。父親のベンジャミンは赤ん坊にどう接していいか分からない状況です。ココの巧みなシッターぶりでエマとココの間には親密な関係ができあがっていました。ココは何とかベンジャミンとエマが親しみを持てるようにベンジャミンにアドバイスしますが,次第に親子の関係も一歩ずつ向上していました。そんなとき,牧場にココを訪ねて不審な二人の男性が訪れます。母の残した借金を取り立てに来たのではないか,と不安に思ったココは,このことをベンジャミンに相談します。ベンジャミン同席の下でココに告げられたのは,ココは地中海の美しい島国の王家のプリンセスだということでした。情報をかぎつけたパパラッチが次々に牧場の周辺や中に出没し,家の電話は鳴りっぱなし,怪しげな贈り物や手紙が次々に舞い込み,ココや家政婦のサラはそれに追われてしまう有様です。シャンテインの王宮へと招待されたココとベンジャミンはエマを連れて地中海を訪れますが,王家の人々は初めは親切そうに話しかけたものの,現国王が30秒だけ顔を出したあとはすっかりココに対する興味を失ったかのような対応をとります。自分は王室での居場所はないと舞踏会での女性二人の噂話を耳にしたココは思い,テキサスに逃げ帰ります。そして,牧場に戻ったココとエマを再びパパラッチが追いかけるのでした。このままでは牧場の業務に支障を来すと考えたココは,後ろ髪を引かれる思いを振り切って,後任のベビーシッターを見つけ牧場を後にするのでした。ココにすっかり惹かれていたベンジャミンは,ココが去った後仕事も手に着かなくなります。家政婦サラからなぜ追いかけないのかと発破をかけられたベンジャミンは,改めて自分がココを愛していることに気づき,勇気を持ってココに告白するのでした。二人の結婚式が再びシャンテインの宮殿礼拝堂で行われる華やかな幕切れで締めくくられています。

ロイヤルもののおもしろさは,シンデレラものが一番ですね。本作の特徴は,テキサスとヨーロッパの王家という価値感の正反対の人々が全く矛盾なく生き生きと描かれている点だと思います。さすがバンクス。


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