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愛を捨てる理由 [ロビン・ドナルド]

SHALOCKMEMO727
愛を捨てる理由 Rich, Ruthless and Secretly Royal 2009」
ロビン・ドナルド 森島小百合





ニュージーランドの作家ロビン・ドナルドのロイヤル・ラブロマンス。インド洋の島国モラーツの王女,ハニ・ド・クートヴェイユは18歳の時若気の過ちから,麻薬密売業者フェリペ・ガスターノの誘惑に乗り,麻薬中毒スキャンダルを起こしてしまう。君主である兄ラフィークに迷惑をかけたくないという思いから自殺を図るが,漁師夫婦に救われ,逃げるようにニュージーランドの島で身を潜め,ハンナ・コートと名前を変え,身分を明かさずに教師の職を得て静かに暮らしている。しかし熱病にかかった持病を持ち、時々発作に襲われる。農場主ケルト・クリサンダー・ギランに出会ったときも丁度発作が起こり始めたところだった。ケルトの看病で熱病は翌朝治まったが,ケルトは気にかかるハンナの熱病が完全に治っていないことを理由に,ハンナを休暇を取らせ,涼しいニュージーランドの自分の離れに住まわせることにする。ケルトの家と離れとの間を行ったり来たりしている間にハンナが何か秘密を抱え,心を開こうとしていないことに気づいたケルトは慎重にハンナのことを知ろうとする。始めはケルトの優しさに戸惑っていたハンナだが,その魅力に惹かれはしたもののフェリペから受けた恐怖を乗り越えることはできないでいた。徐々に二人の距離は縮まっていくが,関係は深まらないままだった。ケルトの妹ロージーは爆弾娘のようにエネルギッシュで,パーティーにハンナを特別ゲストとして呼びたいと計画する。しかし招待客リストの中にフェリペの友人で自分を知る人物の名前を見つけ断ろうとする。勇気を出してインターネットでその人物の現在の様子を知ろうとしたとき,フェリペがすでに死亡していることが分かり、やっと自分の人生を歩んでもいいと思うようになる。ますますケルトに惹かれていく自分の気持ちを正直に伝えるハンナ。しかし兄に迷惑をかけることになることを怖れ,身分は明かさずにいる。しばらく島を離れるというケルト。10日後戻ってきたケルトは自分が大公の弟であり,反乱の鎮圧に協力してきた旨をハンナに伝える。モラーツとの関係もある大公の弟であるケルトとこれ以上関係を深めることはできないと考えたハンナは密かに去ろうと決意する。しかし世話をしてもらった礼を直接言いたいと思い,ケルトと話をする中でケルトが自分との結婚を考えていることを知る。なぜ自分が去らなければならないかを打ち明けざるをえなくなり身分を明かしたハンナにケルトはモラーツで兄に会うことを提案する。過去に囚われずに未来を築いていきたいと決意したハンナはケルトともにモラーツの兄の元を訪れる。
ハンナが過去のしがらみを少しずつ克服していき,ニュージーランドで癒やされていく過程が丁寧に描かれ,王室そのものはほとんど登場しないが,プリンセスとしてのハンナ(ハニ)の魅力が十分に描かれている良作。


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