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王女の秘めやかな背徳 [リアン・バンクス]

SHALOCKMEMO731
王女の秘めやかな背徳 The Princess and the Outlaw 2012」
リアン・バンクス 大田 朋子





シャンテイン国を巡るシリーズ。王室の末の妹フィリッパ王女(ピッパ)と王室にとっては仇敵にあたるラフィット一家の息子ニック・ラフィットとのロマンス。親子二代に渡るロマンスの歴史と,互いの家族との関係を描いた秀作。とにかく王室内では目立たない存在であり,本人もそう望んでいたピッパが,兄ステファンとの確執や愛する家族との別離をも覚悟して,自分のあり方と愛する人のために大活躍するハラハラドキドキものでもある。そして,ニックの母アメリの自由奔放で女性らしい愛らしさ,末期癌で死を目前にした女性のたくましい生き方をも本作の最大の魅力の一つ。系譜学者としてのピッパの研究は,のちに王室の人々の病歴と遺伝的な問題点を研究する上での基礎資料ともなる重要な研究になっていきます。
シリーズ全体(シリーズ化はされていないようですが)を読み終えたあたりで,王室の人々の系図も考えてみたいところですが,ニックの方も,兄弟4人がのちに活躍することを想定して本作で登場させているのかもしれないので,見逃せないところです。
ピッパがニックの両親のために,つまりはニックのためになるのですが,王女としての立場を利用して様々な心遣いを見せることで,もちろん皇太子であるステファンの怒りを買うことにはなるのですが,そのステファンをうまくコントロールしているのが妻のイブ。既読の2作品でも,イブが頻繁に登場し,王室内の兄弟姉妹たちのまとめ役として大活躍していますが,本作でも,最後はステファンとイブが無言の了解でピッパとニックのロマンスを認めていくところが感動を誘います。本作はシリーズ中でも最も感動的な一作でしょう。


タグ:ディザイア
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