熱砂にさらわれて(4姉妹の華燭の典 2) [リン・グレアム]
SHALOCKMEMO733
「熱砂にさらわれて The Sheikh's Prize (4姉妹の華燭の典 2) 2013」
リン・グレアム 平江まゆみ
シリーズ第2作。双子の姉サファイアがヒロイン。18歳の時結婚し,1年で離婚した相手,マラバーンのザヒールは,今は国王となっている。モデルとして撮影のため訪れたマラバーンの砂浜から,サファイアは誘拐同然に砂漠のテントへと連れて行かれる。底に待っていたのはザヒールだった。過去の結婚生活は,父王の乱心からサファイアを救うため,ザヒールが苦渋の決断をしたためであったが,サファイアはその事情を知らず,ただザヒールに捨てられたと思っている。そして,二人の夫婦生活がうまくいかなかったのにも,サファイアの身体的問題があったのを,ザヒールに隠していた。今やスーパーモデルとして活躍するサファイアだが,双子の妹を事故で傷つけてしまい,そのことで自分も心に傷を負ったことを話せないでいた。しかし,父王亡き今,ザヒールにはどうしてもサファイアとの関係を戻したいと願っていたその機会が訪れたことを生かそうと決意していたのだった。ザヒールの仕打ちを許せないサファイアだが,ザヒールの魅力には勝てないと知る。離婚後,カウンセリングを徹底して受け,精神的な問題は解決したと考えていたサファイアは,ザヒールを逆に誘惑しようとする。その事を不思議に思ったザヒール。やがて二人の誤解がいろいろな出来事を通じて徐々に解消されていく。
最終的には,二人の関係は修復され,二人は再婚することになるのだが,サファイアの妊娠がわかり,不妊治療を受けている姉のキャットに申し訳ない気持ちも抱きながら,マラバーン国の王妃としての生活を始めることになるサファイア。妹エメラルド(エミー)との関係もなんとか氷塊していく。シリーズ2作目で,4姉妹が少しずつ伴侶を見つけ,関係が深まっていく面白さと,エミーや末妹がどんな相手と知り合うのか,そして母との関係はどうなっていくのかという期待を膨らませられる良著。
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