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象牙の塔の愛人 [ルーシー・エリス]

SHALOCKMEMO743
象牙の塔の愛人 Innocent in the Ivory Tower 2011」
ルーシー・エリス 藤村華奈美





少年期のストリート・チルドレン時代をともに過ごした親友とその夫人が事故で急死した。たった一人の遺児コスチャが残されている。親友で後見人,名付け親のアレクセイは,急ぎロンドンの邸宅にコスチャを迎えに行く。しかし,ナニーのメイシーがアレクセイの前に立ちふさがる。「誰?」 これが二人の出会いだった。すでに大富豪となり世界中に7軒の家と大型クルーザー,ローマの自宅には7台の高級車を持つアレクセイにしてみれば,人から拒絶されることには珍しいことだった。しかし,赤毛でどちらかというと女性らしい丸みを帯びた体型のメイシーを一目眼にした瞬間,不思議とその反応に腹は立たなかった。普段自分が接している着飾ってモデル体型をした女性たちとは全く違った魅力を持つこの女性に,アレクセイは思わず欲望を感じてしまう。メイシーの方も,完璧な男性美に溢れたアレクセイから突然顔を寄せられても,頭を引こうとはしなかった。寝室が3つもある自家用ジェットとヘリコプターでローマにコスチャとともに連れて行かれたメイシーだが,アレクセイはそれから一週間は全く顔を見せなかった。7日目に現れたアレクセイにメイシーはこれからコスチャとどう過ごすつもりだと迫る。実はメイシーもアレクセイも顔を合わせなかった7日間は互いのことが頭を離れず,毎晩夢にも出てくるほど意識していたのだった。母性に溢れ,華やかな世界よりも子供と共に,身近な人たちと共に過ごすことを好むメイシー。そのメイシーを華やかな世界に連れ出したいアレクセイ。やがてアレクセイの誕生日にクルーザーで催されるパーティに連れて行かれたメイシーだが,そこでアレクセイの元恋人タラともめ事を起こしてしまい,コスチャと共にロンドンに帰ってしまう。アレクセイはメイシーを説得できるのだろうか。
濃密な恋人たちの時間の描き方に抜群の筆力を示すルーシー・エリスの初邦訳。おすすめの一作。


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