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裏切り者に薔薇を [キャロル・モーティマー]

SHALOCKMEMO775
裏切り者に薔薇を A Bargain with the Enemy 2014」
キャロル・モーティマー 小泉まや





ロンドン,パリ,ニューヨークで画廊を経営するディアンジェロ兄弟のシリーズの第1作です。天使に由来する苗字を持つディアンジェロ兄弟は長男のミカエル,次男のラファエル,そして末っ子のガブリエルと,それぞれ名前も天使に由来しています。父親がジョルジオですから,3兄弟の名前は母親がちょっとしたしゃれでつけた名前のようです。
本作は末っ子のガブリエルがヒーロー。5年前,画廊アークエンジェルは贋作事件に巻き込まれました。贋作事件の犯人はウィリアム・ハーパー。そしてその娘サブリナ・ハーパーにガブリエルは恋をしてしまいます。サブリナに最初にキスした日の翌日事件が起こり,裁判でガブリエルの証言がサブリナの父ウィリアムにとって有罪の決定的な証言となります。ウィリアムは有罪となり程なくして獄中で亡くなってしまいます。それから5年,23歳となったサブリナは,母メアリーの再婚もありブリン・ジョーンズと改名して自作の絵を画廊の新人画家作品展に出品するためにアークエンジェルにやってきて,ガブリエルに再会するのでした。事件後何度か連絡を取ってもサブリナに拒否されたガブリエルは,未だに自分は恨まれていると思っていますが,ブリンとなったサブリナがなぜ画廊に絵を持ち込んだのかを聞き出そうとします。オフィスで出会った二人は互いに5年前よりも惹かれ合っていることに気づきますがそのことを互いに知らないままでいます。因縁の二人の関係が画廊での発表に向けて出会う度に気持ちだけの高まりとともに具体の関係の深まりにならないまま,そしてガブリエルに対する気持ちを母に打ち明けられないブリンの欲求不満と相俟って,発表会当日を迎えることになります。そばにいるだけでも互いに触れあってしまいたいという気持ちの高まりと,互いに一度触れてしまったら戻れなくなることを知っている二人の行動に読者は極限までイライラさせられることになりますが,これがキャロル・モーティマーのストーリー展開のうまさによるものです。
発表会当日はブリンの作品に何人もの買い手がつき,一番人気となります。そして,衝撃の出来事が・・・。このカタルシスがたまらないですね。まさに予想どおりの展開となる二人の関係の一気の進展とハッピーエンドが,本作の魅力です。次男ラファエルと長男ミカエルのロマンスが待ち遠しくなるシリーズの開幕です。そして,"Devilish D'Angelo" つまり「悪魔のような天使」というシリーズ名のアイロニーもまた,モーティマーの悪気のないいたづらと言えるのでしょう。


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