黒い瞳のジェラシー [フィオナ・ブランド]
SHALOCKMEMO790
「黒い瞳のジェラシー (ギリシアの恋人 2)
A Tangled Affair 2012」
フィオナ・ブランド 大田朋子
姉シエナと恋人のコンスタンティンの結婚式で再会するカーラ・アンブロウジとコンスタンティンの弟ルーカス。兄弟姉妹同士のカップルはすでに2年前に恋仲になっていました。えっ,これって許される関係なの?そんな疑問が初めに浮かんでしまいます。でも,そんなことは,本作ではいっさい問題にされません。
カーラは,生まれつきの強度の心配性で,ストレスとウィルス性の病気をきっかけに胃穿孔になり,薬を服用してきました。でも,2年前に関係を持って以来,二人は互いの気持ちを周囲には隠し,付き合うことをやめていたのでした。自分だったら,神経質でその割には独特のファッションセンスを持ち,他人の言うことを聞き入れない,自分勝手で嫉妬深い女性には,ちょっと距離を置くだろうな,カーラはそんな女性です。一方,ルーカスもかつて,カーラと出逢う前にフィオナという恋人がいましたが,すでに破局し,それがトラウマとなりカーラとの関係にも慎重にならざるを得ません。もし兄コンスタンティンとカーラの姉シエナの関係が無ければ,二人は再会することもなかったでしょう。会社を守るためにすべてを投げ打っていたシエナと,コンスタンティンが互いの感情に素直になり,幸せをつかもうとしていたとき,カーラとルーカスもまた,少しずつ歩み寄り,互いの気持ちに素直になっていくのです。ルーカスが兄の結婚式に同伴した社の宝石デザイナー,リラ・コールとの関係を疑っていたカーラですが,本当はルーカスのかつての恋人フィオナとの見えない相手との闘いだったことに気づいて,別れようとしていたとき再び体調を崩し,それを心配したルーカスがカーラへの気持ちを再確認したのは,皮肉な関係としか言いようがありません。そして,リラが次のロマンスのヒロインとなります。このシリーズ,なんだか因縁めいた関係をひたすら求めているようなシリーズとなっているのは,どうなのかなぁという感じが否めません。生真面目なリラがヒロインとなる次の作品に期待です。
コメント 0