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恋の罪,愛の罰 [アビー・グリーン]

SHALOCKMEMO798
恋の罪,愛の罰 When Falcon's World Stops Turning 2014」
アビー・グリーン 寺尾なつ子





「ファム・ファタールの息子たち」というミニシリーズの第1作目です。本作に登場するのは異父兄のセサル・ダ・シルヴァと異父弟のアレクシオ・クリスタコスですので,おそらく三部作という設定なのでしょう。本作のヒーローは,イタリアの自動車製造業「ファルコーネ・モーターズ」のCEO,ラファエレ・ファルコーネです。父ウンベルトが母エスペランサ・クリスタコスに去られてしまい,家業である自動車製造業への意欲を失ってしまい,倒産の危険が迫ったのを,ラファエレのがんばりで持ち直し,経営規模の拡大を図るため,イギリスに工場を作ろうとするところまで持ち直したのでした。かつてイタリアの研究所で働いていたヒロインサマンサ・ロークは現在ロンドン大学の研究室にいます。ラファエレとの間には一人息子のマイロがいますが,ラファエレに裏切られたと思ったサマンサ(サム)は,息子の存在をラファエレには告げていませんでした。ローク家の家政婦ブライディ・オサリヴァンが現在でも近所に住み,マイロの面倒を見てくれるおかげで,研究所での勤務ができているのでした。そんなサムの元にイギリス工場開業のため,働かないかとラファエレから電話があります。サムはついにマイロの存在が知られてしまうのではないかと怖れ,さっさと電話で断りを告げてしまいます。しかし,ラファエレはサムの家に訪れ,自分の幼い頃にそっくりなマイロの存在を知り,サムがわざと息子を隠していたと責め立てるのでした。そしてラファエレの存在が自分にとって,まだ引き込まれてしまう魅力を持っていることをサムは感じていることに気づくのでした。二人の関係はマイロを挟んで,次第に接近していきます。結局イギリス工場立ち上げにサムも関わらざるを得なくなり,ラファエレもサムの家に一緒に住むことになります。そして,マイロに自分が父親であることをサムから伝えさせたラファエレ。意外とすんなりとマイロはラファエレが父親であることを受け入れます。そして,ラファエレの父ウンベルトがいるミラノにブライディも含めて4人で会いに行くのでした。ウンベルトもマイロを見た瞬間自分の孫であることを確信し,物心ついて初めて祖父ができたマイロも大喜びするのでした。このように着々とファルコーネ家に受け入れられていくマイロをみて,孤独を感じるサムでしたが,ついにラファエレもサムの存在がマイロ抜きでも自分にとって大切な存在であることを認めざるを得なくなります。離れていた数年間の互いの交際関係に嫉妬心を抱きつつも,互いの信頼を確認し合う二人。母親の裏切りのせいで父が病に倒れたという過去を背負ったラファエレとアレクシオ兄弟は,女性を信用しないという主義を貫こうとしていましたが,ついにラファエレはサムに陥落してしまうのでした。
マイロが実にすんなりと父親や祖父の存在を受け入れてしまうために,家族間の問題に深まりがいまいち感じられず,ハッピーエンドにたどり着いてしまう点がちょっと安易な感じを否めませんが,シリーズ次作に期待と言うことでしょうか。


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