天使は愛にひざまずく [キャロル・モーティマー]
SHALOCKMEMO806
「天使は愛にひざまずく A D'angelo Like No Other 2014」
キャロル・モーティマー 東 みなみ
ロンドン,パリ,ニューヨークに画廊をもつ「ディアンジェロ兄弟」のロマンスを描く三部作の最終巻で,長男ミカエルと写真家のイーヴァのロマンスです。妹レイチェルの出産した双子の甥と姪を抱えて,パリの画廊「アークエンジェル」を訪れたイーヴァ。ラファエル(レイフ)が父親である可能性がわかりますが,レイフは結婚したばかりで新婚旅行中。もし本当にレイフの子供であったにしろ,いま伝えることは,せっかく結婚して幸せの絶頂にある新婚二人にとってとても残酷だというミカエルの言葉にイーヴァもうなずくものの,子供の養育と写真家としての自分のキャリアを両立させることは難しいと切羽詰まった状況にあるイーヴァにとって,ミカエルに何とかして欲しいという気持ちで一杯です。しかもミカエルの男性としての魅力に惹かれてしまいそうになる自分にも嫌気がさしてしまいます。金欲しさにやってきた女性と思って,追い返そうとしたミカエルですが,イーヴァの魅力と自分を頼ってきた子供たちを追い出すことはできません。何日かミカエルの住まいで同居を始めたイーヴァと双子。子育ての体験などはしたことのないミカエルにとっては,戸惑いとイーヴァに惹かれる思いに悩まされていきます。しかもイーヴァが写真家E・J・フォスター本人であることに気づいたミカエルの寝室には彼女の代表的な写真が大きく飾られているではありませんか。二人の相性,そして芸術に対する想いを理解し合った二人のロマンスは急展開していきます。
僅か数週間前に結婚したばかりのレイフ夫妻と,すでに幸せの絶頂にあるガブリエル夫妻も列席してミカエルとイーヴァも教会の祭壇の前に立てるのでしょうか?キャロル・モーティマーらしいハッピーエンディングが楽しみな秀作シリーズです。
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