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無慈悲な愛人命令 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO817
無慈悲な愛人命令 Enthralled by Moretti 2014」
キャシー・ウィリアムズ 町田有鈴





[At His Service]ミニシリーズの一作。富豪アレッサンドロ・モレッティは8年前,チェイス・エバンスに惹かれ何度かデートに誘ったが,カフェでカプチーノを飲んで話をする程度のつきあいしか出来なかった。そして,それは,チェイスが自分には夫がいるという告白であっさりと打ち切られてしまった。自分に惹かれない女性は居ないと思っていたアレッサンドロにとっては,それは衝撃的で完結されていない唯一の女性とのつきあいだった。8年後,自分が再開発しようとしていた地区に頑強に居座る女性保護シェルターの無料弁護士と対決しようと会議室に赴いたアレッサンドロが出逢ったのは,そのチェイスだった。チェイスもまた彼の出現に驚き,アレッサンドロの会社との対決を決意していた。
チェイスとのやりとりに一応の勝利を得たアレッサンドロですが,チェイスを誘おうとしてもすげない断りの言葉しか出てきません。シェルターの存続をえさになんとかチェイスとの関係の復活を企てるアレッサンドロですが,そのやり方のずるさ,いえ,巧みさにはちょっと吐き気を覚えるほどの強引さがあります。そしてアレッサンドロのイタリア(ジェノバ近郊)の家にチェイスを誘うことに成功したアレッサンドロですが,返ってチェイスの方が積極的に彼を求めてくる様子に驚きながらも,二人に将来は無いことを確認するアレッサンドロでした。チェイスが突然弁護士事務所に退職願を出し,アレッサンドロにお金を貸して欲しいと言ったとき,チェイスの抱える秘密を初めて疑わしく思うのでした。そして,チェイスの家を訪れたアレッサンドロは衝撃的なチェイスの告白を聞くことになるのです。ついにチェイスの秘密を聞き出したアレッサンドロはウソつき呼ばわりしてチェイスから去って行きます。チェイスは自分を無価値なものとして切り捨てる彼に憎しみの気持ちを持つのでした。
そして,事務所を去る日,チェイスは再度アレッサンドロにすべてを,自分の気持ちも含めてすべてを彼に告げる決意をして,彼の家を訪ねるのでした。そこで語られるチェイスの心の叫びが,「無慈悲な愛人命令」というタイトルに,二重に意味でつけられていることがわかります。二人の気持ちは通じ合うのでしょうか。心の奥に潜む愛をいつもテーマにしているキャシー・ウィリアムズの特徴がよく現れている作品です。


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