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ウエイトレスの初恋 [キャロル・マリネッリ]

SHALOCKMEMO823
ウエイトレスの初恋 The Only Woman to Defy Him 2014」
キャロル・マリネッリ 山口西夏





ロシア人の富豪デミアン・ズーコフはシドニーに帰ってきていた。臨時雇いで秘書として派遣会社からやってきたのは,アリーナ・リッチー。デミアンはペントハウスや農園を売り払い,オーストラリアを完全に離れようとしていた。そこで秘書には不動産売買の経験を持つ人という条件をつけていた。普段はレストランのウエイトレスをしているアリーナは,母親が経営していた花農園を売るときに事務を手伝った程度の経験しかなかったが,派遣会社から,あのデミアン・ズーコフの秘書と聞いて募集に参加しようと考えたのだった。アリーナは画家を目指しており,しかも描くものは花の絵だけを好んで描いていた。翌朝8時2分前に指定されていたホテルのスイートルームに出かけると,次々に乱れた姿の美女たちが部屋から出てくるではないか。雇い主のデミアンもきっと寝乱れた姿でいるだろうと想像して,顔を赤らめながら3人目の美女と入れ違いに部屋に入ってみると・・・。
こんなスタートを切ったデミアンとアリーナですが,ネットや雑誌記事で有名なデミアンに,息子ロマン,ロマンの母親ナディアとの複雑な関係や,ロシアで路上生活のような生活をしていた幼少時代,そして叔母と共にシドニーにやってきて成功するまでの過去が次第に明らかになってきて,アリーナとデミアンのジョークにあふれた会話とともに二人の関係が深まっていく様子,さらにはアリーナも幼少の頃に家を出て行った父親との関係など,それぞれが解決しなければならない過去を引きずっていることが明らかになっていきます。保有するペントハウスの売却に自分の絵を飾ることを提案したり,頭痛薬を箱ごと持ってくるように言われたのに2錠だけしか持ってこないアリーナに,ふと興味を持ったデミアンが,アリーナのモデル体型ではない豊かなスタイルに好印象を持ったりと,徐々に惹かれていく様子が克明に描かれています。そして,二人の関係が予想以上に深まったところに,息子ロマンが突然現れ,デミアンはロシアに去って行きます。その後ウエイトレスの仕事を続けながら絵を描くことでデミアンを忘れようとしていくアリーナの孤独と悩みが巧みに描かれていきます。デミアンは再びアリーナの元にどんな形でやってくるのでしょうか。そして二人の関係は・・・。終末は,とてもしゃれたひと言で終わっています。


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