SSブログ

恋と数字と王子様 [ミシェル・セルマー]

SHALOCKMEMO847
恋と数字と王子様 Christmas with the Prince
(愛の国モーガンアイル 6) 2009」
ミシェル・セルマー 北園えりか





「愛の国モーガンアイル」シリーズも前作第5作からは舞台を兄弟国トーマスアイルに移し,トーマスアイルの王族たちのロマンスを扱っていますが,本作は前作で結ばれた長男クリスの弟で次男のアーロンがヒーローです。農業を主産業とするトーマスアイルでは,深刻な植物の病気が蔓延し,来年の収穫が危ぶまれるという危機的な状況にありました。その他,国王の心臓病の手術やジンジャーブレッドマンと名告る謎の人物からの脅迫など,複数の問題を抱えていたのです。農業問題で国が救いを求めたのはアメリカの農業科学者オリビア・モンゴメリでした。わずか25歳の若い女性科学者ですが,彼女は天才で,15歳で高校卒業資格を取りあっという間に博士号を取得し,その分野では世界的に一目置かれる存在でした。しかし,母を早くに亡くし,里親のもとを12回もたらい回しにされた孤独な存在でした。小柄で研究のこととなると何時間でも没頭し,いわゆる社交的な生活など全く知らない少女のまま大人になったような女性ですが,初めて会ったときからアーロン王子は彼女がこれまで出逢ったことのない存在であることから興味を抱き,その才能に敬意の念を抱いたのです。初日から一日中ぶっ続けで働く彼女の姿にアーロンはリラックスさせようとビリヤードを教えたり,家族ポーカーに誘ったりと様々な手段でなんとかオリビアを家族の客として迎えようと努めます。そして仕事で凝った肩をマッサージしたりと,身体的な接触をすることでオリビアに誘いの手をさしのべるのでした。それに気づいたオリビアもアーロンの優しさと男らしさを味わいたくて自分からアーロンの首に手を掛け口づけをしていくのでした。そんな積極さもアーロンには好ましいものとして映るのでした。しかし,アーロンは結婚という形式に縛られたくないということをオリビアにも正直に話します。また,アメリカに残してきたオリビアの婚約間近な研究者ウィリアムからもオリビアに何度か婚約の返事を迫る電話やメールが届きます。そしてなにより,出自のハッキリしない自分が王族であるアーロンとの将来を考えることなどナンセンスだという思いから逃れることが出来ませんでした。クリスマスがやってきて,当日の朝,王家の人々が集まり,プレゼントをもらうことになり,オリビアも国王夫妻や皇太子夫妻から,そして自分とは何となく距離を置きたがっているアーロンの双子の妹たちからもプレゼントをもらい,呆然としてしまいます。そしてアーロンを愛していることに気づいていたオリビアはもうこれ以上トーマスアイルに留まっていることが出来なくなり,部屋を飛び出して出国したいとアーロンに告げるのでした。仕事の研究はアメリカでも続けることを条件に。
帰国後,ウィリアムがすでに婚約し,婚約者と一緒に部屋にいるところにオリビアは出くわします。婚約の件を断りに来たのだからと,驚きとともにホッとした気持ちのオリビア。そして何日かアパートの部屋から一歩も出ずにアーロンを失った失意の中にいるオリビアのもとをアーロンが訪れます。二人の愛は稔るのでしょうか。原題の「Christmas with the Prince」は王子様のクリスマスという意味ですが邦題の「恋と数字と」はもちろんオリビアのことを指しています。さて,トーマスアイルを襲うふたつの不幸,植物の病気とジンジャーブレッドの謎は,解決していませんが,きっとオリビアの手で農業問題は解決するのでしょう。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

花嫁失格シークの冷たい求婚 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。