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愛妾の娘 [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO849
愛妾の娘 Ravelli's Defiant Bride
(大富豪の飽くなき愛 1) 2014」
リン・グレアム 霜月 桂





「大富豪の飽くなき愛」シリーズの第1作です。なんとも不品行このうえない富豪,ガエターノ・ラヴェッリが残した,3人の妻と一人の愛人。その間に8人の子供たち。最初の妻との子クリスト・ラヴェッリは,父ガエターノ死後,イギリスの片田舎に愛人と5人の子供がいたことを知らされます。それぞれ母の違う二人の弟の他に,これだけの子供がいるなんて,しかも一番下の弟はまだよちよち歩きの幼児だというではありませんか。遺産の整理のためにアイルランドに飛ぶクリスト。アイルランドのガエターノの館の家政婦だった愛人メアリ-・ブロフィーがすでに亡くなっていたことを知らないクリストは,ピンクの派手な服を着て厚化粧をした女性に相応の暮らしに困らないだけのお金と引き替えに,スキャンダルになるマスコミとの接触を避けて欲しいと頼みにいったのでした。しかし,彼女は実はメアリーと先夫との娘ベルだったのです。異父弟妹と,自分の祖母アイザが暮らしに困らないように弟妹たちをラヴェッリの家族として迎え入れて欲しいというのがベルの願いでした。そしてメアリーが亡くなっていることを隠し,自分が身代わりとしてクリストに会いにいったのでした。しかしなんとも年齢的にもあり得ないと思ったクリストは,反面ベルの隠された美しさに惹かれてしまうのでした。離婚した父と母のもとで愛情亡く育てられたクリストは,家族を大切にしようとする気持ちや家族を,伴侶を愛するということがどんなことなのかを知らずに育ったのです。ベルの正体はすぐにバレてしまうものの,自分のことよりも弟妹を大切にしようとしているベルの気持ちに何とか応えようとクリストが出した結論は,ベルとの結婚でした。ベルとその家族にとっても,ベルに肉体的に惹かれている自分にとっても損のない取り引きとしてベルに提案したのでした。自分たちの住んでいる館の門付近の家政婦用建物が,母に残された遺産だと思っていたベルはその建物も法的には母の死とともにラヴェッリ家に返されてしまうことを知ったベルは,その提案を受け入れざるを得ませんでしたが,同時にどうしてもクリストの男性としての魅力に惹かれてしまうことに戸惑い,あっという間に迎えた結婚式でも,母の形見だったウエディング・ドレスを着ることで仕返しをするぐらいしか思いつかなかったのです。幼い末の弟フランコだけを連れて新婚旅行でイタリアに向かったクリストとベル。めくるめくようなクリストとの一夜ですっかり惹かれていくベルでしたが,クリストの意中に自分以外の,義妹のベッツィの存在がいることを知り,すっかり落胆してしまうのです。そして自分がクリストを心から愛してしまっていることに気づくのでした。初めは愛人の娘として,ベルとの肉体的な結びつきしか求めていなかったクリストですが,仕事の関係でベルに予想外の能力があることを知り,弁護士にこの結婚が思いがけない成功だったことを明かすクリストでした。それなのにベッツィとの関係を知られた後,ベルが急に自分を避けるようになったことに戸惑います。何でも正直に打ち明け合うことが便宜的な結婚から本当に結婚に発展していくという共通理解を得た後だけだったため,ベルの態度の急変を理解することが出来なかったからです。しかし,ベッツィとのことで誤解があったことがわかり,クリストもまたベルを心から愛していること,つまりこれからも人を愛することができるのだということに気づかされたのでした。
クリストには義弟ニック,そしてもう一人砂漠の国の王ザリフがいます。この三人がヒーローになり,シリーズを進めていきます。妻と5人の弟妹,そして妻の祖母を家族に迎え入れたクリストの幸せな家庭生活,そして自分の母と義父も含めて,エピローグでは次世代の娘の誕生が予告されています。


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