彼だけを待っていた [マギー・コックス]
SHALOCKMEMO851
「彼だけを待っていた The Man She Can't Forget 2014」
マギー・コックス 茅野久枝
大学の図書館に勤務するラーラは最近亡くなった兄の友人ゲイブリエルに13年ぶりに再会します。16歳の時,兄を訪ねてきたゲイブリエルに一目ぼれし,告白をしますがまったく子供扱いされ,あえなく失恋したのでした。そして再会してもなお,ゲイブリエルへの想いが強く残っていることに気づきます。今やウォール街の著名人となっていた投資家のゲイブリエルは弟と恋人との関係に悩み,傷心の日々を送っていたところに大学時代の親友だったラーラの兄の死を知り,イギリスに渡ってきたのでした。両親が不在のところに訪れたゲイブリエルに,ラーラは再び熱い思いを抱きますが,どうせ子供扱いされるだろうと思っていましたが,次第にゲイブリエルの傷心ぶりに気づき,慰めようとします。ゲイブリエルは昔ラーラに告白されたことなどすっかり忘れ,仕事に没頭する毎日でした,しかし美しく成長したラーラを見て欲望に気づきます。でも親友ショーンの妹という存在であることや,ラーラが兄を亡くしたばかりのところであることで,素直にラーラを求めることが出来ません。そんな二人のロマンスが次第に進展していきます。
静かに進展していく二人の関係ですが,ゲイブリエルの求めに応じてニューヨークで1週間をともに過ごす中で,喧嘩別れをしてしまう二人。しかしイギリスに戻ったラーラは妊娠していることに気づきます。自分の人生を無意味なものと自嘲気味に語るゲイブリエル。そんな彼をラーラは残りの人生をかけてあなたと分かち合いたいと愛を告げるのですが・・・。
原題は「彼女の忘れられない人」。実りにくい初恋が時を経て再燃し,身近な人の死が互いを再び結びつけようとする運命的なロマンスを描ききった秀作です。
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