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希望と名づけた愛の証 [キャロル・マリネッリ]

SHALOCKMEMO854
希望と名づけた愛の証 His Pregnant Mistress 2005」
キャロル・マリネッリ 遠藤靖子





ちょっと複雑な人間関係を巧みに描いたロマンスです。ミアのお腹の子は初恋の人イーサンの弟の子供です。しかし,イーサンの弟リチャードは同性愛者。その秘密が後半明かされ,ミアのお腹の子はリチャードの子であるはずがないとイーサンが勘違いして言い争いになります。妊娠七ヶ月ながら陣痛が起きてしまうミアですが,かつて恋人だったイーサンが自分を愛してくれるかどうかについては,最後まで堂々と確かめようとするミアです。この頑固さが,読者がミアに親しみを感じる強い魅力ですね。富豪のイーサン・カーヴェルは,カーヴェル家のお金目当ての女性しか相手にしてきませんでしたから,金銭的なものよりも心からの愛を求めるミアを信じることがなかなかできません。そして,弟リチャードの秘密が明かされて初めて,自分が弟を心から心配し愛していたことに気づくのでした。そしてミアに対する体も心も求めようとする自分の気持ちにも素直になれるのでした。初めての出会いから七年間もイーサンを想い続けてきたミアにも感動しますが,様々な誤解を生むような状況の中でミアの言葉を信じていくイーサンの苦しさにも同情を覚えます。そしてなによりも強い愛の力が輝いていく結末に爽やかさを感じる作品です。邦題の「希望(ホープ)と名づけた愛の証」はそのまま結末をも示していて,邦題としては傑作だと思います。


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