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妖精の涙のわけ [ミシェル・コンダー]

SHALOCKMEMO859
妖精の涙のわけ Socialite's Gamble
(ホテル・チャッツフィールド 3) 2014」
ミシェル・コンダー 山科みずき





 ホテル・チャッツフィールド・シリーズの第3弾です。チャッツフィールド家の末娘カーラ・チャッツフィールドがヒロイン。モデル志望で家一番の跳ねっ返り娘カーラは,いつも間の悪いことでマスコミにも悪評を流して,家に迷惑を掛けているいわゆる問題児ですが,根は素直で感性豊か,そしてなにより兄弟姉妹たちの助けを得て両親にかまわれない寂しさを感じている妖精のような娘(こ)です。ヒーローは,ヴェガスのホテル・チャッツフィールドのカジノで全財産を賭けて勝負をするエイダン・ケリー。親の代からの宿敵マーティン・エラリーにもう少しで勝とうとしていたとき,エラリーは知り合いのカーラを賭けると言い出します。空港からホテルに向かうときのトラブルでカーラに出逢ったエイダンは,そんなエラリーの賭けに乗らざるを得ないほど,カーラが気になっていました。カジノの従業員だと思っていたエイダンは,エラリーのような年寄りにカーラを取られてしまうことを気の毒に思ったのでした。そして,それまでの賭け,エラリーの全財産と会社を賭けた戦いに勝つものの,エイダンはカーラだけを手に入れてあとはエラリーに返してしまうのでした。ちょっとかっこいい幕引きではありますが,これが物語の最終場面で大きな問題としてエイダンを襲ってくるとはその時は思いもよりませんでした。自分が賭けられたと知ったカーラは,それでもエイダンからキスされて,エイダンに惹かれてしまいます。そして,そのことがパパラッチの知るところとなり,翌日のスクープやネットで大きな扱いにされてしまい,二人はフィジーに逃れていきます。1週間後に迫ったカーラのモデルとしての重要なオーディションまでの1週間をフィジーで過ごす二人。やがて,カーラの内面を知ったエイダンは,仕事の最中でもカーラのことが頭から離れません。カーラもまたエイダンから求められることを,それよりもエイダンを求める気持ちが強いことに気づき,自分がまた問題を抱えてしまったことを後悔する気持ちもありました。そして,フィジーでの楽しい生活が終わりかけたとき,エラリーがエイダンに仕掛けてきた大きなトラブル。エイダンは仕事にかかり切りになってしまい,カーラは傷心のうちにロンドンに旅立ちます。自分のモデルとしての成功は父親に認めてもらおうとするカーラの強い気持ちからでしたが,エイダンとフィジーで過ごすうち,カーラは自分がモデルとして成功するよりも,女性たちを美しくするコーディネート役の方が自分に向いていると思うようになり,エージェントの誘いに断りを告げようとしたとき,そこに現れたのは・・・。終盤のドラマチックな物語の展開に思わず二人を応援したくなる爽やかな物語です。作者のミシェル・コンダーはチャッツフィールド・シリーズを何作も書いているようで,今後の翻訳が期待されます。


タグ:ロマンス
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