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誓いのキスは天使のために [ミシェル・セルマー]

SHALOCKMEMO862
誓いのキスは天使のために Caroselli's Accidental Heir
(花嫁は一千万ドル 3) 2014」
ミシェル・セルマー 瀨野莉子





シリーズ最終作です。ジュゼッペの思惑どおり二人の孫が愛に満ちた結婚をし,しかも二人の妻たちもまた新たな命を育んでいます。そして三人目の,一番の年長者アントニオ(トニー)の結婚式の当日,式場を一人の妊婦が訪れます。その人,ルーシー・ベイツは,なんと,トニーの子供をお腹に宿していたのです。トニーの配偶者は,前作のヒロイン,キャリーの親友アリスでした。キャリーとロブが恋愛中,キャリーの部屋に滞在していたアリスとトニーはなんとなく良い関係になっていました。しかし,カロセッリ家の人たちはキャリーを除くとあまりアリスには親しみを感じていませんでした。モデルのキャリーはかなり俗物的な存在だったからです。そこに,やってきて爆弾発言をしたルーシー。「お腹の子はトニーの子よ」という宣言は,周囲に驚きをもたらすはずでしたが,みんなはこそこそとその場を立ち去るばかり。ロブの母親がアリスの面倒を見るように退席した他は,ロブを含めてだれもルーシーに非難の言葉を言いません。そして,翌日ジュゼッペに呼ばれたルーシーが緊張して書斎を訪ねるとジュゼッペもまた本当にトニーの子供かと尋ねるだけで非難するわけでもありません。母親から面倒を見てもらえず次々に家を訪れる「男の人」から被害を受け続けていたルーシー。学歴もなく特技もなく,しかも母親の血を引く自分が結婚に向いているとは思えません。トニーから子供を大切に育てたいからとプロポーズされたものの,ルーシーは断ります。しかし,ジュゼッペを始めトニーの母親を始めカロセッリ家の人々の温かく迎えられてルーシーは,特にジュゼッペからはパスタの作り方を教わったり本当の祖父のような親密な気持ちを持つのでした。
さて,カロセッリ家のいくつかの秘密を会社に就職していたローズが暴こうとします。しかもローズは自分がジュゼッペの娘だと言い出す始末。しかしローズの年齢とジュゼッペの既往症の関係でそんなことはあり得ないことが判明します。そして,トニーの出生の秘密。次々と明らかになるカロセッリ家の状況を乗り越えて,ついにルーシーとトニーは華燭の典を挙げます。しかし,その後キャリーがルーシーに3000万ドルの話をすると,ルーシーの気持ちは急降下。トニーはこの危機をどう乗り越えたのでしょうか。まだまだ沢山いるカロセッリ家の女性の孫たち,今度は,この娘たちのシリーズがあれば,楽しみです。イタリア出身の一家らしい大家族主義,そしてチョコレート産業にまつわる様々なレシピやビジネスなど,このシリーズの設定がどんどん広がっていけば良いのにと思います。荒川静香さんがトリノ・オリンピックで優勝できたのは,イタリアのチョコレートが力になったとか・・・。


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