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早とちりは恋のもと(ボディガードの恋のルール) [ジェイミー・デントン]

SHALOCKMEMO868
「早とちりは恋のもと Hot Mess」
ボディガードの恋のルール」所収 Bodyguards in Bed 2011」
ジェイミー・デントン 多田桃子





短編集「ボディガードの恋のルール」の1作品。本作のヒロインは民間警備会社の事務員アリッサ・カルデリーニです。とても忙しい日で,スタッフはすべて外の仕事に出かけていて,空港まで証人を迎えに行く仕事はアリッサ自身がするしかなくなりました。ある企業の内部告発者チャールズ・ロルストンのお目付役として空港まで迎えに来たアリッサ。相手の顔写真もなく,プラカードを手にしたアリッサがたまたまぶつかった相手が「チャールズ・ロルストンを捜しているのか」と聞いたことから,アリッサは目指す相手が自分に声を掛けてきたと勘違いしてしまい,自分の車に乗せて出発してしまいます。しかし,その相手は,FBIの特別捜査官のノア・テンプルでした。人相の悪い二人ぐみに追いかけられるまま,二人の奇妙な逃避行が始まります。その逃避行の間に,アリッサの隠れた才能が次々にノアに示されていきます。たんなる事務員のはずが,アリッサにはボディガードが持つべき能力がたくさん詰まっているというアイロニーが,本作の魅力です。豊かなブロンドで凹凸に富んだ体つき。ノアは次第にアリッサの魅力に引き込まれていきます。件の証人は政府機関によってすでに安全に身柄を確保されていました。FBIの上司からの連絡でそれを知った後も,ノアは自分たちを追いかけてくる二人組のおとりとして,アリッサとの逃避行を続行していくのでした。
悪漢をまくときに見せた抜群のドライブテクニックの他にも,アリッサが過去に経験した仕事が列挙されています。「パン屋の手伝い,融資担当者,ペットシッター,犬の散歩係,書類係,ファイリング係,受付係,壁紙貼り職人,スクールバスの運転手,学生食堂の調理補助,レジ係,高級料理店のウエイトレス,バーのホステス,令状送達係」。でも,終盤にアリッサがUCLAでロースクールに通っていたことや,美術史の学位も持っていることが明らかにされています。「なぜ,単純労働ばかりしていたか? 法律家がほんとに自分のやりたい仕事なのか確かめたかったの。あれだけ沢山の仕事をすることで,あらゆる分野を少しずつ試せたわ」と語るアリッサの生き方が,すごく余裕のある人生の過ごし方だと思います。頭脳と美貌に溺れることなく,自分の将来をしっかり見据えて先入観を持たずに生きてきたアリッサは,ヒロインとしてはすごい存在だと思える作品です。


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