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渚と吐息のコンチェルト [ジェイン・アン・クレンツ]

SHALOCKMEMO886
渚と吐息のコンチェルト Eclipse Bay 2000」
ジェイン・アン・クレンツ 琴葉かいら





ジェイン・アン・クレンツのものを読むのはずいぶん久しぶりになってしまいました。ノーラ・ロバーツ,リンダ・ハワード,サンドラ・ブラウンとともに,かつてはジェインの作品がもっとも好きだったことから見ると,現在では魅力的な様々な作者たちの作品が数多く翻訳され手にとることが出来るようになったことが,その原因かもしれません。今回,MIRA文庫のリスト整理をしていたところで,まだ読んでいないジェインの2作もののミニシリーズに気づき,電子書籍で読むことにしました。
さて,本作は現代のロミオとジュリエット。しかも親子3代にわたるハート家とマディソン家の確執の中で3代目に当たるマディソン家の次男ラファエル(レイフ)と長男ガブリエル(レイフ)がヒーローとして登場する2作"Eclipse Bay"シリーズです。3作目はまだ翻訳がでていませんが,1作目と2作目の翻訳の間が2年もあいていることからして,3作目がでるのはまだ先のことのような気もしますので,とりあえず2作は読んでしまおうというつもりです。本作ではレイフがヒーロー,ハート家のハンナがヒロインとなります。出会いから8年が経ち20代初めだった二人は30代に入っています。何事もきちんとするハート家の伝統と,なにごとももめずには処理できないマディソン家という対照的な家族を背負った二人が遺言によって一つの建物を半分ずつ譲られ,互いに互いの分を買い取ってそれぞれ活用としようとしたところで,二人の関係が再燃し,やがて互いに離れられない存在になっていき,親子三代にわたる確執を乗り越えて対立する家族のくさびとなっていくという大きな流れです。第2作ではレイフの兄ゲイブとハンナの姉リリアンがヒーロー,ヒロインとなります。本作ではレイフが殺害したのではないかと疑われ,ハンナの証言で犯人扱いを逃れた事件が8年後の現在二人がエクリプス・ベイに戻ってきたことから再燃し,物語の中心的な謎としていわゆるサスペンスの部分を担当しています。さらにレイフが8年間何をしてきたのかということも少しずつ明かされるとともに,レイフの祖父ミッチェルが活躍しこの謎の解明に一役買うという,どちらかというとマディソン家寄りの人たちが活躍する展開になっています。原作は2000年の出版で,15年も前の作品ですが,コンピュータもストーリー展開に大きく関係し,ほとんど古さを感じさせない作品に仕上がっています。また,シリーズとしてだけでなく,単独咲くとして読んでも十分に面白さと暖かさを感じられる作品ということが出来ます。さて,もしあなたが男だったら,ハンナのような女性を好きになるでしょうか?ちょっと口うるさく,何事も計画的に進めなければ気が済まないような女性,ちょっと息苦しさを感じるかもしれませんね。でも,レイフに取ってみれば,そこが,逆に魅力を感じてしまうところのようです。


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