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情熱の忘れ形見 [アンドレア・ローレンス]

SHALOCKMEMO889
情熱の忘れ形見 His Lover's Little Secret 2014」
アンドレア・ローレンス 土屋 恵





船運送会社のCEOギャビン・ブルックスが本作のヒーローです。シングルマザー,サビーヌ・ヘイズは,息子ジャレッドを育てるため,自分の夢を犠牲にして友人のブティックの雇われ店長をしていますが,友人エイドリアンはいろいろとサビーヌの便宜を図ってくれるばかりでなく,それなりの給料もくれるので,アルバイトとしてヨガの講師をするぐらいで何とか息子と二人の生活も成り立っているのでした。保育所に息子を迎えに行き,家に帰る途中で,サビーヌは偶然ギャビンの友人クレイに出会ってしまいます。そう,ギャビンこそジャレッドの父親だったのです。不安な気持ちで帰宅したサビーヌの元を案の定ギャビンが訪ねてきます。ギャビンにはジャレッドの存在を話さないでいたのですが,一目で親子だとわかるほどギャビンとジャレッドは似ているのでした。これ以上ジャレッドの存在を隠すことは出来ず,サビーヌはこれまでの経緯と,シングルマザーとしてきちんとやってこれたのだから,父親としてジャレッドを認知するのなら自分から奪わないで欲しいと,本当の気持ちを告げます。ギャビンはDNA鑑定を求め,気が済むのならそれでいいとサビーヌも了承します。そして,3年経ってもギャビンに惹かれる気持ちを抑えることは出来なかったのです。わざとよそよそしくするサビーヌにギャビンは次々とサビーヌとジャレッドの生活に入ってきてしまいます。容易に感情を表に表さないギャビンはビジネスマンとして成功するためにはそれも必要なことかもしれない。自分に対する思いやりのある態度とギャビンの言葉との間のギャップになやむサビーヌでした。ギャビンもまたサビーヌに惹かれる思いを抑えきれずに,ジャレッドとの3人の生活を真剣に考えているのですが,サビーヌの自立の壁はなかなか崩せないでいます。しかし,ギャビンの両親の元を訪れたサビーヌとジャレッドは,数年前とはことなるギャビンの両親の態度に驚くのでした。初孫を見る両親は手放しでジャレッドを可愛がり,サビーヌにも温かい言葉を掛けるのでした。サビーヌが画家としての夢をジャレッドとの生活のために犠牲にしたようにギャビンもまた幼いときからのパイロットになる夢を持ち続けていました。経営難に陥った小さな航空会社の買収に乗り出して,成功しそうになっているギャビンの,この仕事に掛ける情熱にはサビーヌも感動し,応援したくなるのでした。しかし,この買収計画が,とんでもない事態を引き起こします。ネタバレになるのでここには書けませんが,ジャレッドが行方不明になってしまうのです。しかし,この事件がサビーヌとギャビンの関係を決定的に変化させます。まさしく雨降って地固まるの例えのとおり,ジャレッドを含めた3人の生活が二人にとってはかけがえのないものだということに気づかされます。さらに嬉しい変化も・・・。全てがハッピーエンドに終わるこの作品。ロマンス小説の醍醐味を全て詰め込んだ秀作です。


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