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砂漠の王と千一夜 [リン・レイ・ハリス]

SHALOCKMEMO908
砂漠の王と千一夜 Carrying the Sheikh's Heir 2014」
リン・レイ・ハリス 深山 咲





キル王国の二人の息子の兄ラシードとシェリダン・スローンのロマンスです。前作「砂に消えた偽りの誓い」(SHALOCKMEMO864)で弟カディルは秘書のエミリーと結婚しました。そのため王位を継がざるを得なくなったラシードですが,王としての務めを真面目に果たそうとするとともに,前妻とその子供を出産時にともになくしてしまった経験から,妊娠,出産ということ,さらには一人の女性に生涯を賭けて愛することに怖れを抱くようになってしまっています。そんなラシードにどんな風にして愛する女性を出会わせるか。作者はそこで試験管ベビーの検体取り違えという裏技を用意していました。なかなか妊娠しない姉夫婦を気遣い,シェリダンは義兄の精子を着床させて姉の代わりに出産しようとしました。ところが病院側の間違いで,キル王国国王のラシードの検体が使われてしまったのです。病院からの連絡でその事を知ったラシードは病院に詰め寄り,誰が母胎になるかを白状させてしまいます。すっかり子供を産む気でいたシェリダンのところにラシード自らが出向きます。まだ妊娠がハッキリしないうちに,ラシードは「君の産むかもしれない子供はキル王国の後継者の可能性があり,国王としてはそれをそのまま放って置くことは出来ない。今すぐキル王国に君を連れて行く。」と言い切って,翌朝,自家用ジェットにシェリダンを乗せて飛び立っていくのでした。とてつもない話に驚いたままラシードに連れて行かれたシェリダン。しかし,前妻が出産時に命を失ったことは聞かされていないシェリダンはラシードの強引なやり方に反抗し続けながら,しかしハンサムで男らしいラシードに惹かれる気持ちを抑えることが難しいほどでした。女性から面と向かって反抗されたことのないラシードは,逆にそんなシェリダンに興味を持ち,子供の母親というだけではなく,女性としても見るようになります。
かつての国王のハーレムだった部屋で一人でほ放って置かれたシェリダンはラシードにテレビやパソコンを要求したり,少なくとも母となる自分に気遣いを見せるよう堂々と要求するなど,気持ちいいほど強気なシェリダンの姿に読者も拍手を送りたくなります。そして,ラシードの過去の経験を知ったシェリダンとラシードの関係は急速に進みます。そして作者はもう一つの驚愕の事実を用意していました。DNA鑑定,そして王立病院を訪れた二人が知ったのはなんと・・・。王位継承に絡みさらに複雑な関係になるかと思われましたが,作者はそれをすんなりと解決させ,後味の良いすっきりした結末を用意しています。


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