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シークとの許されぬ結婚 [クリスティ・ゴールド]

SHALOCKMEMO927
シークとの許されぬ結婚 One Night with the Sheikh 2013」
クリスティ・ゴールド 大谷真理子





前作「幻のシークと無垢な愛人」でバジュール国王の地位を兄のラフィークに譲ったザイン。そしてラフィークの妻リマと幼子が自動車事故で亡くなったことが明かされていますが,本作は事故の要因の一つが自分にあることを悔やむラフィークから始まります。幼少からの知り合いで初恋の相手だったドクター,マイサ・バラドに自分の心の傷を相談するラフィーク。二人の間にまだ互いを想う気持ちが残っていることは前作でもほのめかされていますが,マイサの側からは描かれていませんでした。ラフィークとの別れと無理矢理父親に結婚させられた相手ブトロスは,妻に暴力を振るう男だったのです。勇気を持って夫と離婚したマイサは,苦労しながらアメリカで医師免許を得て祖国に戻り,診療所の医師として診療費を払えない貧しい人たちの診療も引き受け地域の人たちから必要とされる医師になっていました。ザインと結婚したマディソンの妊娠を発見したのもマイサのお手柄だったのです。マイサはバジュール国の医療問題について最も実情を知っているとも言えます。マイサの兄シャミールは国の保健大臣ですが,国政の場では何かとラフィークに反抗的な態度を取っています。かつては自分の友人として自分に味方してくれると思っていたシャミールが実は自分の妻リマとも関係があったとはラフィークは知るよしもありません。マイサもつい最近そのことに気づき,ラフィークに告げようとしていたところ,ラフィークとマイサの関係を知ったシャミールがラフィークにそのことを暴露してしまうのです。そして二人の関係を理由に妹にも口止めし,さらには脅迫もしていたことがマイサの口から聞かされたラフィーク。妻の裏切り,友人の裏切り,さらには結婚前に妻が弟とも関係していたと知ったラフィークにマイサはもう一つの秘密まで話すことはできませんでした。その時にはすでにマイサはラフィークに対する愛を隠すことは出来なくなっていたからです。「わたしも愛しているわ。初めて会ったときからずっと。でも残念ながら,私たちは愛するだけでは足りない世界で生きているのね」というマイサの言葉は二人が国王と一般市民の離婚経験者というしがらみから逃れられないことを示しています。ここで登場してくるのが,前作でもザインに愛を貫くように助言した元兄弟たちの家庭教師で今では宮殿の家政部分を仕切っているエレナ・バッテリです。彼女には3兄弟とも一目置かざるを得ない母親代わりでもあり,教師でもあり,ナニーでもあったのですが,父王の愛人だったがエレナだという秘密が本作で明かされ,マイサを愛人のような立場に置いておくことが出来ないとラフィークに決意を促すのでした。さて,ラフィークはどんな決意を示すのか。意外な手段に打って出るラフィークです。まさか前作と同じように弟のアダンに王位を譲るのかと思いきや,そうではありませんでした。
第3作のアダンがヒーローとなる物語も間もなく翻訳が出るようです。


タグ:ディザイア
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