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愛したのは略奪者 [アビー・グリーン]

SHALOCKMEMO932
愛したのは略奪者 Rival's Challenge
ホテル・チャッツフィールド 6) 2014」
アビー・グリーン 山科みずき





チャッツフィールド・シリーズの第6巻で,今回はチャッツフィールドホテルロンドンが舞台です。「愛したのは略奪者」はちょっと大げさなタイトルですが,原題は「ライバルの挑戦」となっています。長男アントニオは母を守れなかった自分に嫌気がさし,家を離れてフランス外人部隊に入隊していました。PTSDによる除隊後も家業には就いていなかったのですが,妹ルシーラの必死の懇願により,ホテルが買収使用としているケネディ・ホテルチェーンの経営者との交渉に当たることになります。交渉日前夜,ホテルのバーで飲んでいるとやってきたのは赤毛の美女でした。これまで付き合ってきた女性とは何か違うものを感じたアントニオはセカンドネームのマルコと名乗り,ケイトと名告る彼女とグラスを交わし,そしてスイートルームで一夜を過ごすことになってしまいます。翌日交渉会議にやってきたケイトとマルコが,実はオーラ・ケネディとアントニオ・チャッツフィールドであったことから二人の関係は次第に切っても切れないものになっていきます。
父との不仲と外人部隊で敵の捕虜となって過ごしたことが心の傷となって生きる目的を見失っていたアントニオが,オーラの地道ながらも少しずつ心を開いてくれることによって,セラピストよりも深いところで自分を取り戻していく過程を丹念に描いた良作です。オーラ自身も母の言うことになんでも応えようとして家業を傾かせた父を許せない自分から,アントニオが心に負った傷を理解していく過程で両親のことを理解しようとし,アントニオが与えてくれた共同経営者としての家業再興のチャンスに感謝しながら,二人で幸せをつかんでいく決意をすることで,前向きに生きる本来の自分を取り戻していくハッピーエンドに至る過程は読んでいてすがすがしく,暖かい結末に心が癒やされる作品です。
次作もロンドンが舞台のオルシーノ・チャッツフィールドとポピーのロマンスです。


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