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シークに言えない秘密 [キャロル・マリネッリ]

SHALOCKMEMO933
シークに言えない秘密 More Precious than a Crown 2014」
キャロル・マリネッリ 山口 西夏





「ウエイトレスの初恋(SHALOCKMEMO823)」の関連作ですが,登場人物等に関連性はありません。イシャラ国の王子ザイードは大学時代の友人ドナルド・フォスターの結婚式の介添人を務めるためにイギリスにいました。そしてそこにはずっと昔にキスをした相手ドナルドの妹のトリニティが花嫁の付添人としてくることになっていました。家族にとってのお騒がせお嬢さんのトリニティは今回も来るべき時間にはまだ会場に来ておらず,空港でやっと母親と出会うことが出来たようだという知らせが入ったばかり。母親の「トリニティはどこ?」というのは何度もフォスター家で聞かされた言葉でした。出会ってみてザイードは相変わらずトリニティに惹かれていることに気づきます。そしてトリニティの目にもザイードを意識している様子が見えました。しかし,ザイードは父王の後継者として隣国の王女との婚約を控えている身。親友だったドナルドには大きな借りがあったのですが,これまで何度もドナルドの金欠を助けてきた経緯があり,今回限りでフォスター家とのつながりは終わりにしたいと思っていたのです。しかし,トリニティとのつながりは続けていきたいと想う気持ちを抑えることは出来ませんでした。相変わらずドナルドは無計画に結婚式を挙げ,新婚旅行の費用ですらザイードに都合してくれないかと頼む始末。しかもコカインのためハイになっているのは相変わらずです。そんなドナルドに嫌気がさしているのはトリニティも同じ。しかもトリニティにはザイードには言えない過去の秘密があったのでした。そして伯父から受けた過去の心の傷を引きずって,体面ばかりを気にして自分の娘を守ろうともしない両親にも嫌気がさしていたのです。式の後に偶然そのことを知ったザイードは,これ以上トリニティを家族の下に置いておくことが出来ないと考え,イシャラへの帰途にトリニティを連れて行くのでした。二人に将来はない,ということは二人ともわかっていましたが,イシャラ国でザイードの妹レイラから歓迎を受け,レイラの英語の授業の講師として滞在を許されたのでした。そしてザイードの婚約者サミーナ王女を招いてのパーティにトリニティも参加させられます。食事後王女とザイードが散策した後ニコリとして戻ってきたザイードを見ていよいよ自分の居場所がここではないと感じたトリニティ。さらに父王から帰国するよう圧力をかけられ,そのままジェットに乗ってしまうトリニティでした。実はザイードが微笑んだのは,サミーナ王女もまた婚約に乗り気ではないことがわかったからでした。トリニティとの将来に光が見え始めたので微笑んだのを勘違いしたトリニティだったのです。兄のドナルドの急死の知らせを受け,帰国したトリニティをザイードは追いかけます。そして散骨場所で両親や伯父にくってかかるトリニティを見て,ザイードは助け船を出します。卑劣な伯父はその場を逃げ出し,母はトリニティに謝罪するのでした。トリニティを伴って帰国したザイードは父王は,過去の自分の過ちから立ち直り,愛を全うしようとする息子を全面的に応援するのです。エピローグでのハッピーエンドは,これまた前作同様しゃれた終わりかたをします。ちょっと反抗的で,でも傷つきやすく,そして最後には芯の強さを発揮するトリニティがとても素敵な作品です。


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