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二週間の恋人 [キャロル・モーティマー]

SHALOCKMEMO937
二週間の恋人 Elusive Lover 1982」
キャロル・モーティマー 中原もえ





85年4月に訳本の出た作品ですが,モーティマーの作品はどれも時代的な古さを感じさせない新鮮な感じがします。本作も例外ではなく,つい最近書かれたかのような印象を受けました。原題は「つかみどころのない恋人」
安宿のメイドとして働き,ぎりぎりの生活をしているイーリンが部屋の掃除に入ると26号室の客がイーリンをからかいます。大柄でたくましくカウボーイのような体つきの男性は,しきりとイーリンにつきまといます。ホテルのオーナーのマイクから連日セクハラを受け続けていますが,ここをクビになるとまた仕事を探さなくてはならないし泊まるところもないイーリンとしては,もう一人のメイドの仕事をするマイクの妻のフランシスがちっとも仕事をせずに,自分一人で40室もの掃除とセッティングをほとんど一人でしなければならないことにも疲れ切っていました。そんなイーリンにとってジョシュとなのるこの男性の相手をしているほどの時間的な余裕はなかったのですが,なんとなく頼りになりそうだジョシュの言葉をむげには断り切れずに,今の仕事よりも有利な条件でジョシュの家の家政婦の仕事を引き受けてしまうのでした。しかも愛人としての役割も果たすことに同意して・・・。人里離れたジョシュの家に連れて行かれたイーリンですが,あわやというところで純潔を守ることが出来ます。それからはジョシュはイーリンに手出しをしないように我慢している様子が見えます。しかしジョシュがジョシュ・ホークという名声を得た画家であることを知り,ヌードの絵のモデルになることを承知した頃には,イーリンはジョシュを愛し始めていました。しかし,ジョシュはなかなか絵を描こうとはしませんでした。描けないことを悩んでいる様子に気づいたイーリンはジョシュが留守の間にキャンバスをのぞいてみます。しかしそこには真っ白なキャンバスがあるだけでした。やがて展覧会が開かれる会場にイーリンも同席します。そして画廊主から魅せられたのは完成した,しかも明らかに自分の体だとわかる絵でした。しかも顔を傾けているために誰かはハッキリとはわからないように描かれた絵でした。ジョシュはイーリンが気づかないうちに数日で絵を完成させていたのでした。ジョシュの究極の愛に気づいたイーリン。そんな純愛物語が描かれた作品です。二人が住む地域で山火事が起こったり,ボブとしか名前を告げなかった義父をジョシュがイーリンの恋人だと勘違いしたり,結構二人の間の誤解やすれ違いが二人の間の距離を広げる要素になりますが,逆にそれが二人の関係を近づけることになったりと,相変わらずモーティマーのストーリーテラーぶりが発揮されています。文庫化の表紙に描かれたイーリンのイメージもとてもそれらしく,少女のようにはかなげに見えながらも,セクシーな大人の感じを表したポーズ,ちょっとモジリアニの作品を感じさせるポーズが素敵です。


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